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2020.7.30

ミヒャエル・エンデ「モモ」
時間どろぼうとそれを取り戻す女の子の物語。
モモのできる事は
あいての話を聞くことと、時間をかけて待つこと。
あたりまえでいて、みんななかなかできないことですね。

この本のなかで「そうだよね!」と膝を打つ思いをした文章
があります。
それはモモの友達、道路掃除夫ベッポが自分の仕事への哲学を
打ち明ける場面、

「なぁ、モモ、」

と彼はたとえばこんなふうに始めます。

「とっても長い道路を受け持つことがよくあるんだ。
 おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、
 と思ってしまう。」<中略>

彼はしばらく口をつぐんで、じっと前の方を見ていますが、
やがてまた続けます。

「いちどに道路全部のことを考えてはいかん、わかるな?
 つぎの一歩のことだけ、
 次の一呼吸のことだけ、
 つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。
 いつもただつぎのことだけをな。」

またひとやすみして、考え込み、それから、

「するとたのしくなってくる。
 これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。
 こういうふうにやらにゃだめなんだ。」

自分のペースで、楽しんで仕事と向き合う。
あたりまえのことをあたりまえに。
とても良い読書体験となりました。(^^)

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2020.7.28

笠間の平屋、低く抑えたなかなか良いプロポーション。
屋根はガルバリウム鋼板を使用していますが軒先にちょっとした
工夫をしています。

屋根は35センチ程度の幅の鋼板を横につないでいくのですが、板と板
をつなぐのに「縦はぜ」という25ミリ程度の出っ張りが出来ます。
この出っ張り部分を軒先だけ板金屋さんに寝かせて折ってもらう事で、
下から見上げたときに軒先がきれいな水平のラインを描きます。

こうしたちょっとした工夫の積み重ねが上質な住宅の佇まいへつながります。

内部は断熱材の施工が進んでいます。
引き続き楽しみな現場です。(^^)

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笠間の平屋
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2020.7.26

ふたつ屋根の下、順調に現場が進んでいます。
外部は防水紙が張り終わり、縦胴縁を施工中。

木製建具が入るLDの窓枠はピーラー材、
目の詰まったオレンジ色の木材が外観がきりりと引き締めます。

こちらはライブラリーのかまぼこ天井下地、
竜骨のような下地材、わくわくしますね。(^^)

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ふたつ屋根の下
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2020.7.22

酔いどれ詩人、トム・ウェイツのアルバム。
猥雑で過剰、腐りかけていて懐かしい、なんだか不思議な音楽です。

ピアソラのタンゴや、ティムバートンの映画の世界に近い匂い。
生きているといろいろな事が思い通りには進みませんが、
このアルバムを聴いていると「まぁそれもいいんじゃない・・」
なんて言われているような気がして、気持ちがトロンと落ち着きます。
とても優しい音楽です。

Category
音楽
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2020.7.19

建築家ル・コルビュジェの一番弟子ヴォジャンスキーが
師について綴った本。
短い文章でまとめられており、コルビュジェのスケッチ
の挿絵や写真も美しいです。

同じ巨匠と呼ばれる、フランクロイド・ライトやミースは
自分の世界をつくり、一つの権威としての立ち振る舞いを
確立させていった人達。
一方コルビュジェはそういった世界に収まる事を好まず、
独自の歩みをやめなかった人。
社会的にも政治的にも自由であろうとしたがゆえに、数々
の妨害や批判を浴び続け戦い続けた建築家。

そんな数々の修羅場を潜り抜けてきた重さを感じさせず、
茶目っ気のある飄々とした佇まい。
そんなコルビュジェの生き方こそが独自の魅力を放ち、
敬愛さて続けている理由なのだと思います。

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2020.7.13

「笠間の平屋」上棟式を執り行いました。
4間×7間のシンプルな切妻屋根の平家、過不足のないちょうど良い広さ。
自分にとって「ベーシック」となりうる平屋のプランが解けたのでは、
とひそかに自画自賛している(笑)お家です。
なので今回は「笠間の平屋」という素直なネーミングに。

クライアントさんご家族も工務店さんが用意してくれた法被を着て
式に臨みます。
僕はいつものように「小野組!」の法被。
屋根の上に上棟セットをしつらえでみんなで工事の無事を祈願します。

ono設計に信頼を寄せて下さるクライアントさん。
その期待に添えるよう頑張らねば!
とあらためて気合が入った一日となりました。

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笠間の平屋
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2020.7.10

プランに取り掛かる時は先ず現場へ脚を運び敷地の状況を確認、その後
クライアントさんの要望を再度把握します。
そこまで出来たらいよいよ机の上にトレッシングペーパーを、ひたす
ら手を動かしてプランを探ります。

最初はオーソドックスに、案を重ねて行くうちに段々とプランが敷地に
馴染んでゆくのが分かります。

敷地と対話しながらプランが展開してゆくのはとても楽しい時間。
自分が不器用なせいかと思いますが、このプランをとにかく重ねる作業を
経てやっとクライアントさんへ自信を持って提案する事が出来ます。

Category
その他
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2020.7.7

パブロ・カザルスのバッハ「無伴奏チェロ組曲」
1930年代の録音という事で音質はあまり期待していなかったのですが
熟成した洋酒のような、なんとも深く心地よい音。
曲を聴いていると不思議と心が落ち着いてきます。

大林信彦監督の「花筐」という映画の中でも、繰り返しこの音楽が使わ
れておりとても印象的でした。
映画と共におすすめです。

Category
音楽
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2020.7.4

息子とカレー!今回は”チキンスープカレー”
ホールスパイスを使った本格カレーです。

使用したスパイス
ホール
・カルダモン、シナモン、クローブ
パウダー
・カイエンペッパー、ターメリック、コリアンダー

サラダ油にスパイスをいれ、カルダモンが”ぷっく”とふくらむまで炒めます。

玉ねぎを色づくまで炒めたら、にんにく、生姜、カットトマトをいれ
ペースト状になるまで水気を飛ばします。
最後にパウダースパイスと塩を少々。

水、手羽先、にんじんを加えて30分ほど煮込んだらココナッツミルク投入。

最後に素揚げしておいた、なす、ピーマンをのせて完成!
はふはふ言いながらスパイシーなカレーを味わう事が出来ました。(^^)

Category
料理
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2020.7.2

建築家ヨーン・ウッツォンがマヨルカ島につくった自邸「キャン・リス」
僕はこの家のプランが大好きで、何度も眺めても飽きません。
「たとえば鳥が崖の上に巣をつくるように・・」
ウッツォンがこの家をつくる時に語った言葉、
四つのブロックを角度を振りながら、配置したなんとも不思議で魅力的なプラン。
まるで抽象絵画を見ているようです。

合理性、機能性を優先するモダニズムの建築とはまるで違う構成。
ダイニング、リビング、寝室を4つのブロックに振り分けた分棟プラン。
部屋から部屋への移動はすべて中庭を通らないといけません、機能的では
ないけれど野性的な面白い平面。
プランをよく眺めると半分は外部空間、野生の鳥が樹の先つくった巣が
いくつか並んでいる、そんな雰囲気です。

今回はトレースをしていると、まるでメキシコの古代神殿をなぞっている
ような感覚になりました。
しばらく海外へは行けそうもありませんが、トレースする事で空間を想像
し味わうのはとても楽しいですね。(^^)

Category
ヨーン・ウッツォン手描きスケッチ
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