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2020.9.1

独立して自分の事務所を設立した頃、約1カ月半の北欧建築旅行をしました。
コペンハーゲンに滞在した時に、ウッツオンの設計した教会があると聞き
脚を運んだのがこの「バウスヴェア教会」。

コペンハーゲン郊外の駅で降り、少し歩くと教会の外観が見えてきます。
「あれっ」と思うほど素っ気ない外観。工場か倉庫のよう。

外観からは想像のつかない豊かな内部空間。
簡素で清廉なインテリア、入道雲のような天井から白い透明な光が落ちて来ます。

ウッツオンのコンセプトスケッチのトレース。
ハワイの海岸で雷雲を眺めている時に「雲の下に集う教会」という
アイデアが生まれたとの事、詩人ですね。

プランは2.2Mのグリットで構成されたシンプルなもの。
東西に伸びる骨格に居室と光庭が交互に埋め込まれてゆきます。

こちらがダイナミックな断面、
「雲の下に人々が集い、雲間から光が差し込む。」
そんな美しい情景を見事に空間として実現させています。
建築はプランが命と思っていますが、断面もまた決定的に大切な要素だと
思い知らされた体験でした。

またウッツオンの娘、リンが担当した美しいテキスタイルの色使いも秀逸。

この時は独立したばかりで今後の仕事の見込みもなく、不安な心を抱えながら
の建築旅でした。
ただこの「バウスヴェア教会」で天井から落ちてくる光を感じている時に
「建築っていいなぁ・・・仕事もなんとかなるんじゃないかしら」と訳もなく
勇気が湧いて来たのを覚えています。
いつかトレースしなければと思っていたのですがやっと出来ました。
思い出の建築です。(^^)

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ヨーン・ウッツォン北欧手描きスケッチ
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2014.7.8

地中海近くのニース(北緯43°)から出発して、北欧ヘルシンキ(北緯60°)まで北上していった今回の旅。
建築家の建物巡りとともに地域によって民家の形がどのように変化して行くのか? 住宅設計に携わる者として多いに興味がありました。
ちなみに札幌がニースと同じ北緯43°、東京は北緯35°、最多降水量231mmです

南仏ニースの民家、札幌と同じ緯度ですが海流の関係で暖かく、気温は東京と大差ありません、降水量は半分以下。
屋根は赤瓦の半丸一種類で作られ、軒はほとんど出てません、軒裏も漆喰で塗りつぶされています。
壁は荒い石積みで、幅の狭い窓が規則的に並んでいます。

フランス中部リヨンの民家
ニースの民家と基本的には一緒ですが、屋根は赤瓦だけでなく、外壁は石積みの上に漆喰がぴっしりと塗られていました。軒裏は木の構造材が現しになっています。

デンマークの民家
屋根が急勾配になり、出窓が付いています、屋根裏空間が部屋として使われている証拠です。日本の民家の兜づくりに近い形ですね、外壁は石積みだけでなくレンガ積みが多く見られます。

スウェーデン、フィンランドの民家
気温は東京-10°程度、降水量は1/4程
今迄の民家と大きく変わるのは木造になる事。聞いたところフランスなどと違い石が取りにくく森が豊かだからとの事でした。
大きな特長は外壁の赤と白の可愛い色使い。ログハウスのような構造材の上に板を張り、日本でゆうベンガラのようなものとトドの血などを混ぜ合わせて塗装する事で劣化を防いでいるようです。
ちなみにフィンランドの面積は日本とほぼ同じ34万km2ですが人口密度は1/20以下、ゆったりした暮らしが羨ましいです。
こうして観察してみるとやはりその土地の風土、気候、人口により建物や街が大きく変わる事を実感しました。
次は日本の民家を沖縄から北海道まで訪ね歩いてみたくなりました(笑)

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北欧
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2014.6.27

一ヶ月に渡る建築旅行が終わり、無事に水戸へもどりました。
ずーっと胸に秘めていた憧れの建築、
調べ、歩き、朝日の入り方を見てスケッチをし、組み上げられた石を撫で回し、家具を実測して感心し、匂いをかぎ、風の音を聴き、暗闇に差す一条の光に感激し、本当に五感を通じてひとつひとつの建築を堪能する事が出来ました。
ただ今思い返すと建物と一緒にそこで出会った人々の顔が浮かんできます、道を教えてくれたピザ屋さん、わざわざ遠回りして建物の近くへ下ろしてくれたバスの運転手さん、落としたコインを拾ってあげたらはにかみながらキートス(ありがとう)ととびきりの笑顔をくれた小さな女の子。
一人の旅は道を教えてもらったり、地元の食べものを説明してもらったり、そうした小さな善意に支えられながら旅を続ける事が出来るのです。
異国で受ける小さな親切や、優しい笑顔は本当に勇気づけられます。
そう思って日本にいる自分のまわりの人々を思うとすぐにたくさんの素敵な笑顔が浮かんできました。そういった人達に囲まれている自分は本当に幸せ者だと思います。
わがままな旅行を許してくれた家族、暖かい言葉をかけ、応援してくれた友人、まわりの人々。おかげさまで本当に貴重な旅行をする事が出来ました、ありがとうございました!
この経験を活かして益々建築設計の道を精進して行きます。

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北欧
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2014.6.25

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北欧
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2014.6.19

アアルト建築巡礼、最後の目的地ヴィラ・マイレアを訪れました。
現代美術に造詣の深い友人夫婦のためにアアルトが設計した住宅です。

20世紀の美しい住宅といえば必ず名前のあがるお家です。北欧の建築はまず何より敷地が素晴らしいです。

住宅部分から伸びた外リビング、暖炉やブランコ、サウナ小屋がありなんとも気持ちの良い場所でした。

コルビジェやアアルトの建築を見ると必ずあぁ、コルビジェだな アアルトだなという形を見付けます。独りよがりなオリジナルではなく、地中海の波や静かな湖、垂直に伸びる松林など自分の愛するまわりの自然からインスピレーションを受けているのですね、自分の形、欲しいです(笑)

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北欧
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2014.6.18

セイナツァロからバスで20分程行ったところにアアルトが建てた夏の家コエタロがあります。

松林の中をぐんぐん進んでゆくとコエタロが見えてきます。

コエタロは実験住宅として建てられ、様レンガの積み方や2階の床を屋根から釣るなどいろいろな工夫の跡を見る事ができます。

松林に呼応する様な縦格子と外壁に絡まる緑、アアルト建築の特徴です。

室内にはほんわりとした居心地の良さが漂っています。吉村順三さんの建物を見学した時に感じたのと同じような空気感です。

離れのサウナ小屋、アアルトもこのサウナで温まっては目の前の湖に飛び込んでいたのでしょうね、僕もいつかやって見たいです(笑)

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北欧
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2014.6.18

雨模様の中ヘルシンキからアアルトの建築が点在するユバスキュラへ向かいます。

最初に向かったのはセイナツァロの村役場、アアルトの後期の傑作と言われ若い頃に旅したイタリアの山岳都市をイメージしたとか。

予約しておくと村役場の中にあるその名もアアルトというゲストルームに泊まる事ができます。

アアルトの建物は窓辺が本当に気持ち良く、蔦に反射した緑の光が部屋に木漏れ日の様に差し込んできます。
会議場の小屋組はかなりアクロバティックでした!

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北欧
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2014.6.16

今日はヘルシンキにあるアアルトの建築巡りです!

アカデミア書店

カフェアアルト

アルテック ヘルシンキ

レストラン サヴォイ
お腹いっぱいの一日でした!

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北欧
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2014.6.16

ヘルシンキに着きました!
さすがに連日の移動でへばり気味、なにか美味しいものをとガイドブックをめくると、あの映画の舞台になったかもめ食堂があるとの事。嫁さんとテレビでチラッとみた程度ですが気になるので行ってみる事にします。

トラムに乗って歩く事数分。

ありました、かもめ食堂!
いかにも地元の食堂といった趣き、おくでは町内会の会議?をやっています。

頂いたのはフィンランド名物ミートボール。店主さんもとても感じの良い方でした、日本に帰って映画を見るまで旅行を先延ばし出来た気がします(笑)

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北欧
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2014.6.16

いよいよ最終目的地のフィンランドへ。
移動はフェリー、17:00にストックホルムを出発して翌朝9:00にヘルシンキへ到着します。

巨大客船、カジノやバーも入っています。

森と湖のように静かな海の間をのたりのたりと進んで行きます。
フィンランドではアルヴァ・アアルトの建築巡りをする予定です。

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北欧
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