ルイス・カーンやウッツオンの作品をトレースして
思考をなぞってゆくと各々の建築家の設計手法のようなものが見えて来ます。
この二人に共通するのは「言葉」を疑うところから始める姿勢です。
例えば「図書室」を設計しようとした時、
いきなり資料集成を引っ張り出して面積の案分やコスト配分を検討するのではなく。
そもそも~本を読む~というのはどのような行為で、それにふさわしい場所は
どんな空間なのだろう、という「はじまり」から設計を始めます。
本の頁をめくるには、ひっそりと壁に囲われた静かな場所で、時折そっと風が
頬を撫でてくれるような場所が良い・・・ などと
今回はオペラハウスなど主要な作品のスケッチトレースを進めた上で見えて来た
ウッツオンの「設計の流儀」をまとめてみました。
あらかじめ分類され用意された「言葉」「場所」を疑い、
もう一度自分の体を通して自分なりの「統一性」を掴もうとする、
建築設計は奥が深く興味が尽きません。