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2022.5.17

名作住宅スケッチ、
今回はメキシコの建築家ルイス・バラガン自邸をトレースしてみました。
バラガンの建築はいわゆる近代建築の”均一な一室空間”
(フィリップジョンソン/ガラスの家etc)とは異なる趣、
それぞれの部屋がそれぞれのキャラクターを持ち、プランの中央付近に
置かれた階段ホールが”ハブ”として各部屋を結びつけるという平面構成
がとられます。

「バラガン邸」は多層な床レベルや、立体的な回遊動線により”迷宮”の
ような空間ですがトレースをする事で”明快な構成” ”綿密な動線計画”
を持つ住宅である事が理解できました。

平面図、この住宅の大まかな構成を掴むために真ん中の”階段ホール”を
建物のコア(緑のラインを入れたところ、断面を合わせて見ると分かりやすい)
として捉えます。
すると
➀真ん中に1階/階段ホール 2階/ラウンジ 3階/メイド用パティオ のサービスゾーン
➁東側に床レベルの下がったガレージ・玄関ホール、その上に客室のあるゲストゾーン
➂西側に台所、食堂、上に寝室のあるプライベートゾーン
➃北側に吹抜けを持つリゆったりとしたリビングゾーン

大きく4つのゾーニングで構成されている事が分かります。
また図面で黄色く塗りつぶした部分がメイドさんが使う部屋、主動線と
交わる事なく買い出し、料理、洗濯と実に合理的な裏動線が計画されています。

「バラガン邸」は少し違うのかなぁ・・と思っていたのですが
やはり名作住宅には”明快な構成”と”練られた動線計画”あり!
今回のトレースで一番の嬉しい収穫でした。(^^)

またバラガン邸の特徴は室内の一つ一つのシーンがうつくしい事。
まずは”光”の風景について、一度壁で閉じた建物にいかに美しく
”光”を呼び込むか、バラガンの設計のテーマです。
a.玄関ホールに落ちてくる高窓からの光
b.野性的な庭を通じて差し込む動きのある午後の光(植物の影が壁に映りこむ)
c.白いスリガラスを通じてライブラリーに届く朝の静謐な光

野性的な庭と水盤もバラガン建築の欠かせない風景。
d.パティオに床面の高さに張られた水盤、不揃いに並んだ素焼きの壺
アルハンブラ宮殿を訪れた時に「目の前に現れた白い壁と水の音」に感銘を
うけたというバラガン、水面に遊ぶ光やジョボジョボという水の音が建築に
揺らぎや時間の要素を加えてくれます。

その他にも天窓から聖像に黄色い光が降りぐコーナーや、高い壁に囲まれ空と
対話する屋上テラスなど詩的な風景がところどころに表れます。

最後にもうひとつバラガン邸の見どころを、それは1階リビング庭に面した
大窓の外側に垂らされたカーテン、なぜ外にカーテン?
これは夕方に鳥が明りを目指してガラスにぶつかってしまうのを防ぐために
バラガンが後から付けたとの事、優しい詩人の人柄を感じます。

魅力的な居場所が多くついつい頁が増えてしまったバラガン邸、
この後もしばらくバラガン建築をトレースしてゆきたいと思います。

Category
ルイス・バラガン手描きスケッチ
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2022.5.14

東京都現代美術館へ「吉阪隆正展」を見に行って来ました。

茫洋とした佇まいで煙草をふかす吉阪さん、その周りに
学生さん達が嬉しそうに寄り添っている映像が印象的でした。
吉阪さんは若者達が身を寄せる大きな傘のような存在だったのですね。

2度の大戦を経験した吉阪さん、
「自邸」にも「セミナーハウス」にもどこか焼け跡のバラックの
記憶が染みついているように感じました。

「今、人間は何をいちばん求めているかを語り、これを具象的に示す事だ。
 能率中心の考えからすれば、むだだということかもしれない。
 どこまでもどこまでも広がってしまった世界では、
 何かのよりどころという事かもしれない。
 生きているのだという象徴が欲しいのだ。
 どれもこれも相互性のある部品化してしまった世界に、
 それでも私はここにいると示したいのだ。」

自分を風車に向かうドンキホーテになぞらえて「有形学」を立ち上げた吉阪さん。
深い眼差しを持った建築家の言葉には、ゴロっとした確かな手触りを感じます。

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美術・展示会
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2022.5.11

「つくばのリノベ」解体工事が完了し、構造材の補強工事を行っています。

リノベーションではお風呂廻りや雨漏りがあった箇所の土台・柱は
どうしても傷んでいる事が多く、補修・交換が必要になります。
補強工事が終わったら防蟻材と塗布して白アリ対策、
既存の状態を見ながら的確に工事をすすめています。

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つくばのリノベ現場ブログ
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2022.5.9

「川縁の家」板張り外壁1回目の塗装が終わっています。
仕上げの塗装でさらに黒が引き締まった印象になりますが、
木目によって多少ムラがでるのがまた良い感じ。(^^)

内部も防湿シートの施工が終わり、この後ボード張りが始まります。
居間南面の掃き出し窓、2間並べて開口をつくるか、間に壁をとるか
スケッチを描いて検討を重ねました。
壁天井への光の入り方や川のある方角への抜けなどを見るとうまく
いったよう、一安心です。

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川縁の家現場ブログ
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2022.5.7

GWは何年振りかに益子の陶器市へ、
天気が良く五月の風に吹かれているだけで幸せな気持ちになりました。

移動本屋の「ペンギン文庫」さんも出店されており
柚木さんの本を購入、しおりが可愛いですね。
本の中にあった柚木さんの言葉、

「今日も明日は昨日になる

さうして どんどん足下から時は流れ去ってゆくのでしょう

そんな中で私の目に止まった人や風景は何時までも輝いていて美しい

私の勝手な思いこみかも知れませんが”なつかしさ”という気持ちは

人の心に共通する平和で安心できる場所ではないでしょうか」

柚木さんの言葉はやさしく、すっと胸に沁み込んできます。

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2022.5.4

設計業務を結んで頂いた”笠間のリノベ”
「現場が動きだしたよ~」とクライアントさんより連絡頂きました。
外壁を残したままの内部のリノベーション。
ただプランは大幅に修正し寝室とリビングの位置を入れ替え水廻りも移動、
ゆったりと暮らせるすまいの計画としました。
外壁をいじらないリノベーションはパズルを解くような独特の難しさ、
面白さがあります。
”リノベ現場”がいくつか動きだし今後の進捗が楽しみです!

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その他現場ブログ
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2022.5.2

事務所でお昼によくパスタをつくります。
建築家の宮脇檀さん、中村好文さん、伊礼さん、住宅の名匠はみんな料理好き。
実際につくってみると素材の選択、段取り八分、味(細部)の調整など住宅設計
と重なる部分も多々あるような(^^)
建築の設計は計画から完成まで1~2年かかりますが、
料理はレシピをみてから15分もあれば完成!
というのも精神衛生上良いですね。
”散歩”と”料理”の中には暮らしに大切な”何か”がある、
日々の散歩と料理を続ける事で設計もするはずです。(^^)

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料理
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2022.4.29

別冊太陽に「笠間の平屋」が掲載されました。
コツコツ仕事を続けていると嬉しい事があるものですね(^^)
クライアントさん、一緒に現場をつくりあげた工務店さん、
造園家さん、木工家さん、カメラマンさん、ライターさんに
この場をかりて感謝致します。
これを励みにまた愉しく仕事に打ち込んで行こうと思います。

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お知らせ笠間の平屋
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2022.4.27

シルバーの寄棟屋根と黒い外壁が特徴の「母の家」
監督さんと1年点検へ伺いました。

板張りの外壁はとてもきれいな状態、植栽も加わり柔らかい印象になりました。

中にお邪魔すると猫ちゃんがお出迎え、とてもくつろいでいる様子。
「住みやすいニャー」と心の声が聞こえたようで一安心(笑)
半年ぶりにクライアントさんとお話ししましたが、不思議とホッとして
しまいます。
1年半ほど顔を合わせながら、忌憚なく話し合い設計を進めた関係だから
こそなんだか懐かしく安心してしまうのかもしれません。
次は2年点検、住宅がどのような雰囲気に育っていくのか今から楽しみです。

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母の家現場ブログ
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2022.4.25

あたらしい計画「つくばのリノベ」が動き始めました、
既存の木造平屋建てをラボ(事務所)併用住宅とする計画。
屋根と構造材のみを残すフルリノベーションです。

2つの屋根の下にそれぞれ”ラボ” ”住宅”の機能が納まるよう
水廻りを含めプランを大幅に修正。
ゾーニングが明快になり仕事と暮らしのバランスの取れた
住まいとなりそうです。

解体工事もほぼ完了、いよいよ大工さんの工事がはじまります。

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つくばのリノベ現場ブログ
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