沖縄建築ツアーで一番楽しみにしていた「銘苅家住宅」へ
軒先H=2100というものがどういう佇まいなのか楽しみです。
銘苅家のある伊是名島へはフェリーで向かいます。
フェリーを降りてバスに乗りやっとこ着いた「銘苅家住宅」
左側の石垣は招き入れるような曲面となっており、母屋の軒
先が雁行する様子はレストランのウエイターがどうぞこちら
へ!と手を差し出しているかのよう(笑)
カチッとした「中村家」よりもくだけたアプローチです。
なんといっても心地よかったのがこの雨端の縁側、座った時
の軒先の低さ、道路側の石垣との関係も絶妙で一度座るとな
かなか立上れません。
平面をトレースすると構成は「中村家」とほぼ一緒、ただ屋根伏せ
を掛けてみると「識名園」や「中村家」はところどころ無理してる
な(笑)という場所があったのですが、銘苅家は屋根の斜め45度の線
がきれいに柱の上に乗ってきます。
この佇まいは骨格の美しさも関係があるのだなぁ・・と感じ入りま
した。
つづいて立面と断面、
石垣、防風林のフクギ、低く雁行する軒先ラインがきれいに重なり
あい環境に馴染んだ立面となっています。
また特に気になった雨端部分の断面寸法、イラストに描いた青の
点線ラインが「中村家」雨端部分の外形。
やはり「銘苅家」の雨端は高さ、横幅ともグッと抑えられとても
親密なスケール感になっているのが良く分かります。
ちなみに北側も奈良の「新薬師寺」のような大らかで伸びやかな
外観でした。
やっと見学できた「銘苅家住宅」思ったよりも低いという感じ
ではなく「ちょうど良い」というプロポーションでした。
また「銘苅家」「中村家」を続けて見学できたため同じ構成を
とっていても外構えの計画や高さの寸法の抑え方でここまで印
象が変わるのだなぁ・・と実感しました。
とても実測スケッチ甲斐(笑)のある建物に出会えた沖縄ツアー、
設計に迷った時はまた訪れたい場所となりました。