ブログ

2020.7.30

ミヒャエル・エンデ「モモ」
時間どろぼうとそれを取り戻す女の子の物語。
モモのできる事は
あいての話を聞くことと、時間をかけて待つこと。
あたりまえでいて、みんななかなかできないことですね。

この本のなかで「そうだよね!」と膝を打つ思いをした文章
があります。
それはモモの友達、道路掃除夫ベッポが自分の仕事への哲学を
打ち明ける場面、

「なぁ、モモ、」

と彼はたとえばこんなふうに始めます。

「とっても長い道路を受け持つことがよくあるんだ。
 おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、
 と思ってしまう。」<中略>

彼はしばらく口をつぐんで、じっと前の方を見ていますが、
やがてまた続けます。

「いちどに道路全部のことを考えてはいかん、わかるな?
 つぎの一歩のことだけ、
 次の一呼吸のことだけ、
 つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。
 いつもただつぎのことだけをな。」

またひとやすみして、考え込み、それから、

「するとたのしくなってくる。
 これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。
 こういうふうにやらにゃだめなんだ。」

自分のペースで、楽しんで仕事と向き合う。
あたりまえのことをあたりまえに。
とても良い読書体験となりました。(^^)

Category
Tag