「眺めの良いいえ」屋上からの眺め、
北東には千波湖と水戸芸術館のタワーを望み
東には吉村順三さんの茨城県立美術館と大ケヤキの眺望が、
特等席のような素晴らしい眺めです。
屋根の板金工事の様子。
手加工した板金をひとつひとつ丁寧に施工する職人さんの姿、
研鑽された技術の高さと仕事に対する矜持を感じます。
ニュースを見るとうんざりするような事も多いですが、
まだまだ実直に丁寧に誇りをもって仕事に向き合う大人がきちんといて、
そんな人達と仕事に係れる自分は幸せ者だなぁ~と感じます。
「眺めの良いいえ」屋上からの眺め、
北東には千波湖と水戸芸術館のタワーを望み
東には吉村順三さんの茨城県立美術館と大ケヤキの眺望が、
特等席のような素晴らしい眺めです。
屋根の板金工事の様子。
手加工した板金をひとつひとつ丁寧に施工する職人さんの姿、
研鑽された技術の高さと仕事に対する矜持を感じます。
ニュースを見るとうんざりするような事も多いですが、
まだまだ実直に丁寧に誇りをもって仕事に向き合う大人がきちんといて、
そんな人達と仕事に係れる自分は幸せ者だなぁ~と感じます。
イタリアの映画「イル・ポスティーノ」
舞台はイタリアの小さな島、祖国チリから亡命してきた詩人
パブロ・ネルーダと、その郵便係に配属された主人公マリオ
の物語。
海辺でパブロが読んだ詩の感想を聞かれ、
「言葉に揺れる小舟のような気持ちだった」と答えるマリオ
パブロに(隠喩を)「うまくやったな」と褒められた時の嬉しそうな表情に
観ているこちらも思わず頬が緩んでしまう名シーン。
上質で粋な心に沁みる映画です。
言わずと知れたウッツォンの代表作「シドニーオペラハウス」
建築に詳しくない人でも、この帆船のようなシルエットはどこかで
目にした事があるはず。
シェル状の屋根構造を決めるのにとても苦労したようですが、
中世ゴシック教会の屋根のつくり方、6分ヴォールトを分節して繋げる
とあら不思議、そのままオペラハウスの屋根の構造に。
ウッツォンが意図したかは分かりませんが、中世の建築と現代の建築
の技術が繋がっている、というのはとても興味深い事です。
こちらが平面計画、海に突き出した半島状の敷地に1/5勾配の角度で振れた
大ホールと小ホールが寄り添うように並び、手前のレストランと合わせて
3つのボリュームが小気味よく配置されています。
大ホールの断面計画、
4枚のシェル状の屋根がとても美しいのですが、意匠的なものだけではなく
それぞれ
A → エントランスホール
B → ステージ(ステージタワーが入るよう高い空間)
C → 客席
D → ラウンジ
と一つの屋根に一つの機能があてがわれ、屋根の高さも下部の空間の用途と
呼応しています。
ただ残念ながらウッツォンが途中で仕事を降りてしまったため現状の
オペラハウスはこのような断面計画にはなっていません。
ウッツオンの感性で描かれた美しい屋根のライン、
その屋根を実現させたゴシック建築の技術、
そして屋根の大きさと呼応した機能的な平面計画、
建築の醍醐味を凝縮したような素晴らしい建築。
トレースするだけでも楽しいのですから、実際に空間を体験したら・・・
いつか訪れてみたいです。
吉田健一さんのお酒に関するエッセイ集。
吉田さんの文章を読んでいると、暖かい縁側でのたりのたりと
お酒を飲みたいなぁ~という気持ちになります。
この本の「飲む事」というエッセイの中で共感した文章がありました。
「仕事が何かの意味で、ものの秩序を立て直すことならば、
仕事に一区切り付けて飲むのは、我々が仕事の上で目指している
秩序の原形を再び我々の周囲に感じて息をつくことではないだろうか。」
仕事をする時には”意識”がもの事を切り分けて、ある”目的”に向けて
再構築して行きます。
お酒を飲むと”意識”が後ろに引き、”目的”も消え、ただあるがままの繋がった
世界を再び身近に感じる事ができるという事でしょう。
あたたかい春の日に花を愛でながらお酒を飲んでいると確かにそんな感覚
におちいりますね。
早くポカポカと陽ざしを感じながらお酒が飲みたくなりました。(^^)
「眺めの良いいえ」屋根下地工事が進んでいます。
への字のラインがきれいです。
バルコニー部分から東側への眺め、
遠くに吉村順三さん設計の茨城近代美術館の屋根が見えます。
2階にあるお風呂からは屋根で切り取られた空の景色を楽しむ事が出来ます。
坪庭や、空への抜け、鉄骨階段の上昇感など垂直方向への工夫をちりばめた
プラン、現場の進捗が楽しみです。
「母の家」外壁板張り工事が進んでいます、
シルバーの屋根と黒い外壁が良いバランス。
内部は木製建具が納まりました、カラカラと快調に開閉出来ます。
防湿シートもしっかりと施工されています。
こうした小さな事の積み重ねがよい住宅を生んでくれます。
益田ミリさんの本。
益田さんの漫画が好きで「すーちゃん」シリーズなど休日に読んでいます。
シンプルな単線で引かれた絵の裏にある、本質をえぐる鋭い視線が心地よく
癖になる本です。
さてこの「永遠のおでかけ」は高齢の親を持つ世代には身につまされるお話し、
残念ですが親はいつまでも元気・・・ではないのですよね。
是枝監督の映画「歩いても歩いても」の中で主人公(阿部寛)
が実家から帰るバスに揺られながら
「あ~ぁ~いっつもこうなんだよ、ちょっと間に合わないんだ」
とつぶやく場面があります、
どうやっても”間に合う”ことはないのかもしれませんが、
きちんと思いを寄せて日々を過ごす事、
それだけでも自分の救いになるかもしれません。
大好きな染色家、柚木沙弥郎さんのリトグラフを事務所の壁に飾りました。
フランスの工房「Idem Paris」で昔のプレス機をそのまま使い、
職人さんと同じ目線で交わってできた作品。
眺めているだけで気持ちがたってくるような独特の魅力があります。
柚木さんは”言葉”も良く、文章を読んでいると膝を打つ思いがします。
あるインタビューで
「暮らしのセンスを身に着けるコツ」について語られた言葉が
とても共感したので、少し長いですが以下に引用させて頂きます。
「例えばワインを楽しむ時に、それを入れるのは紙コップではダメなの。
ごまかした案ではなく、
そういうことに対しては誠実でありたいという気持ちが大切。
インスタント的な暮らしには人生の実感がないんじゃないかな。
やっぱり本物でなきゃ。本当の意味のリアリティが欲しい、
だから実物に触れて欲しいと思っています。
自分が意識してこういう暮らしをしているんだという自覚を持つこと。
それは教えられるものでなく、自分が学び、経験して、こういうものが好きだと、
その意思を高めていくことが大切だと思っています。」
“自分が意識してこういう暮らしをしているんだという自覚”
ハっとするような言葉です、落語にでてくる”了見”や”矜持”に近い感覚でしょうか。
ゆめゆめ忘れてはならない大切な感覚だと感じました。
「ぐるりの家」空から撮影をして貰いました。
模型をつくった時に、「ぐるりと廻るおもしろい屋根ができたなぁ~」
と思っていたので、ぜひ空撮をと思いカメラマンさんにお願いしました。
いろいろと妄想して作り上げた建物を、あらためて空から眺める
(気持ちになる)と今更ながら実際にできたのだなぁ~、という実感がわきます。
“きれいに屋根を掛ける”事は住宅設計の肝となる大切なポイント、
今後も「きれいな屋根の建築」をつくってゆきたいです。