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2022.3.23

高校生の息子達も期末試験も終わりやっと一息ついてるよう、
昨年は高校受験をしていたのでいつまでも大変だなぁ・・
なんやかんやいって「受験」のための勉強だよなぁ・・と感じます。
橋本治さんの本を読んでいたら学校について興味深い文章がありました。

今につながる「教育制度」が始まったのは明治の頃。
ペリー黒舟来航などでこのままではマズイ、と「富国強兵・殖産興業」
を旗印に西洋に負けないようにと制定されたもの。つまり
「先進国に勝つために、必要な学力(西洋知識)を国民に身に着けさせるため」
が教育制度の原点。
この原点が分かると今の教育制度がまさにその延長上にある理由が分かります。
遠方よりボンボン大砲を打ち込んで来る西洋列強に対して、相当な危機感を持ち
このままじゃマズイ「つべこべ言わずにさっさと西洋知識を詰め込んでしまえ!」
となるのは分かる気もしますね。

・やばい、西洋に学べ→「富国強兵」ある程度うまく行き一次大戦では戦勝国に
第二次世界大戦敗戦↓
・やばい、今度はアメリカに学べ→「高度成長」を経て経済大国へ。
製造業からIT、金融への移り変わり・バブル崩壊↓
・やばい、今度は・・・目指す国、方向が見つからず途方に暮れた30年

こうして見ると相当な無理をした明治の改革時、
急激な西洋化と共に現在につながる大きなひずみが生まれた事が分かります。
なにげなく使っている「言葉」自分なりに捉ようとするとなかなか大変でなかなか面白いです。

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言葉
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2022.2.23

そもそも「都市」「地方」とはなにか、明確な定義がある言葉なのか、
そんな事が気になり少し調べてみました。
「都市」・・・とくに定義なし
「地方」・・・三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)を除く地域
(国土交通省HP)
さらに地方の中でも
「地方都市」・・・人口30万人以上若しくは県庁所在地
僕の住んでいる水戸市は27万人程の人口ですが県庁所在地になるので
「地方都市」にあたります。

さてコロナ化の中「東京から転出超過」「転職なき移住」などという
ニュースを目にします。
どちらも”都市”から”地方”へという文脈で語られているのですが実際
のところはどうなのでしょうか。
テレワーク従事者の多い「情報通信業」「金融業」の人が東京近県へ移住、
という事は十分に考えられそうです。
ただ大学収容力が50%にも満たない地方の現状から”若者”そして職種が選び
づらい”女性”などはまだまだ都市圏への意識が高そうです。

バブル期のような”消費・欲望”を是とする時代ではなく”家呑み”や”サブスク”などあまり欲張らない生活意識が広がる中「地方での暮らし」は魅力的な面も多いと思います。
”学ぶ場所・働く場所”さえあれば、
地方で自分なりの価値観を持って豊かに暮らそう!
という人は増えていくのだと思います。

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言葉
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2021.10.30

「建築」という言葉があります。
職業柄「あの建築家の本に・・」
とか「あの建築は良かった・・」
などとよく使うのですが、
では「建築」ってなに?「建物」となにが
違うの、と聞かれるとうまく答えられません。

一般の人からすると
「要するに”建物”の事、一緒でしょ。」
で終わりの話しかもしれませんが、
「建築」に携わる身としてはどうもそれでは腑に落ちません。

分からない時には反対の言葉を並べてみる、
建築家の内藤廣さんの手法を借りて手元の紙の切れ端に反語を対になるよう書き込んでみました。

具体的に
「建物・building」として頭に浮かぶのは
コンビニやタワーマンションなど、
両方とも近代性、人間個人を中心とし合理性・経済性を基に組み立てて行くもの。
ある一定の空間で利益を最大化するための最適解の現れ。

「建築・aruchitecture」として浮かんでくるのは
ピラミッドや伊勢神宮のような社寺建築など。
両方とも個人を包括する「神」の存在を感じていた時代の精神から生まれたもの。
理性ではなく感情から組み上げられてゆくので不合理で無駄を許容する空間。

では信仰の解けた近代や現代には「建築」はありえないのか、という疑問がでてきますが

「個人」の脳みその中でああすればこうなると
「合理的にはじき出した」ものが”建物”
自分の存在を超えた「他者」にむかって感情を伴いそっと「捧げられた」ものが”建築”
という見方もできるような気がします。

普段何気なく使っている「言葉」をもう一度自分で捉え直してみる、
情報がひたすらに押し寄せてくる日常の中で大切な作業ですね。

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言葉
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