「川縁の家」6月25日26日の2日間に渡る見学会が無事終了しました。
川の流れる西側へ向かってL字に囲んだ平屋の住まい。
小川の音を聴きながら窓が切りとる「緑の風景」を眺めていると、
とても豊かな気持ちになります。
クライアントさんの敷地を読む目がこの住まいの計画の第一歩
だったのだなぁ・・と感慨に耽りつつ思い返しました。
このような機会を与えてくれたクライアントさん、
協力して頂いた工務店のみなさん、造園家さん、
お忙しい中足を運んで頂いた方々に感謝致します、ありがとうございました。
「川縁の家」造園が入り雰囲気がぐっと豊かになりました。
竣工間際の現場に行くと、どうしても人工物である建物の角が立ちすぎていいて
”新築です”という雰囲気をもう少し馴染ませたいと思います。
そこで「もう少し塗装の黒を濃くした方が・・」とか
「軒天も黒く塗ったほうが・・」などと余計な事を考え始めてしまうのですが、
造園家さんのお庭が入るとあら不思議
「そんな事は気にしなくていいよ」と敷地におおらかな雰囲気が生まれます。
庭が入った事でようく建物がその土地に腰を下ろしたような・・・
”お庭マジック”ですね。(^^)
内部は八溝杉のフローリングと白い壁天井のシンプルな空間。
大きさの異なる窓から切り取られる風景もそれぞれに印象が変わります。
自分の家の外観がチラリと目に入るのがL字形のお家の楽しい所。
アオダモの幹とジューンベリーの葉が優しく揺れています。
「川縁の家」外壁2回目の塗装が完了し引き締まった印象になりました。
内部では電気屋さんと建具屋さんが黙々と作業を進めています。
「照明」と「家具」は設計をすすめる上で大切にしているポイント。
照明器具は目立たせず、落ちてくる光を壁・床面でいかに受け止めるか、
天井は少し陰りがあるくらいでちょうど良いと思っています。
家具はなんといっても直接手で触る身近な相棒(道具)
・触り心地良く・使い勝手良く・目にも優しく
そんな家具は暮らしをぐっと引き立ててくれます。
造作のキッチン収納も仕上がって来ました。
天窓からやわらかく落ちる光、
光を設計するという事は、光を受け止める壁面を設計するという事ですね。
「川縁の家」現場もいよいよ終盤へ。
ビルバオグッケンハイム美術館を設計した建築家、フランク・ゲーリーは
以前「美術」と「建築」の違いをきかれた時に「窓があるかないかだ」
と答えたそうですが。
「窓をどうとるか」は建築設計の大きなテーマのひとつです。
窓をどうとるかはつまり
「光をいかに室内にまねき入れるか」
「外部(自然)とのつながりをどうとるか」
という事であり、まさに設計の本質的な部分。
もちろん住宅においても「窓」は設計の肝となる要素で、大きさ、高さ、方角など
スケッチしながら様々な角度から検討を重ねます。
今回の打合せには造園家さんも同席、窓から見える風景、室内と外部(自然)の
関係を現場に立って検討されています。
たぶん造園家さんの頭の中では様々な樹々が芽吹き、花を咲かせ
枝を伸ばしている事でしょう。
邪魔しないようにパシャリとシャッターを押させて貰いました。(^^)
「川縁の家」木塀の納まりをスケッチで検討。
意匠・コスト・メンテナンス、色々な面を考慮しながら鉛筆で描いては
消して、また描いて・・・(笑)どう作ったら良いか考えます。
現場では平面的な図面よりも立体スケッチの方が伝わりやすい、
そして描いてる自分も楽しい。(^^ゞ
頭の中で考えた造形を紙面に立体で描いてみる、それを見てまた修正する
その積み重ねの先に理想的な”かたち”(おさまり)が見えて来るのです。
「川縁の家」外部工事はほぼ完了。
内部はボード張りの工事が進んでいます、光を受ける壁面ができると
いよいよ”部屋”の雰囲気が漂って来ます。
南面に並ぶ掃き出し窓と腰窓。
窓の上にあえて30㎝程度の下がり壁をつくる事で開口部のプロポーション
が整うと共に、一度光を遮る事で陰影に富んだ豊かな光の表情を生みます。
入り隅コーナー部のFIX窓と隠し框の引き戸の納まり。
何度も図面を描いて検討したところ、うまく納まりました。(^^)
「川縁の家」板張り外壁1回目の塗装が終わっています。
仕上げの塗装でさらに黒が引き締まった印象になりますが、
木目によって多少ムラがでるのがまた良い感じ。(^^)
内部も防湿シートの施工が終わり、この後ボード張りが始まります。
居間南面の掃き出し窓、2間並べて開口をつくるか、間に壁をとるか
スケッチを描いて検討を重ねました。
壁天井への光の入り方や川のある方角への抜けなどを見るとうまく
いったよう、一安心です。
「川縁の家」外壁の杉板張りが始まりました、
自然素材の持つ質感やムラは目触りが良いですね。
玄関を入って正面の窓、視線がパッと抜けて行きます。
丁寧に仕事を進める職人さん達、一服中のさわやかな笑顔です。