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2019.2.28

京都左京区にある「詩仙堂」
江戸時代の文人、石川丈山の山荘跡との事。

階段を奥に進んでゆく魅力的にアプローチ空間を抜け、建物へ入り縁側を
歩いてゆくとサツキの大刈込の庭が全方向から視界に飛び込んできます。
庭と建物がスカスカに抜けているので東屋に佇んでいるような心持ち(笑)
水平に張られた床面と華奢な垂直の柱のライン、そこまでも横方向へ連な
ってゆく空間、日本建築ってモダンですね。

入口の脇にひっそりとある”おくどさん”もなんとも魅力的な造形、
撫でまわしたくなります!

帰り際にもう一度庭を眺めようとすると仲良く母娘の背中が並んでいました。
男親子ではなかなかできないので少しうらやましいですね(笑)

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京都・奈良建築探訪手描きスケッチ
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2019.2.25

「えんがわ薬局」が上棟しました、簡素な切妻の架構がきれいに並んでいます。

この薬局の主役は建物ではなく「縁側」と「庭」です。
きれいな建物を設計するより、人が安心しできる場所をつくろうと思いました。

少し長くなりますがそう思ったきっかけを書きます。

ちょうどこの設計が始まる頃、実家の母が急きょ病院に入院しました。
急な事に心を痛めながら、入院の手配や一人残された父のケアなどくたくたになり
ながら実家と病院への往復を続けていました。

その病院には外来棟と入院棟があり、その2つの建物の間になんてことはない中庭
がありました、中庭といっても簡単なバスケットコートと周囲に何本か植栽のあ
るどちらかというと殺風景な庭です。

母のお見舞いに行くときにいつもその場所を通るのですが、ある日「なにをやっ
てもうまくいかないなぁ・・」と重い気持ちで母の病室へ向かう途中、「キャ
ハハ・・」という嬉しそうな子供の笑い声が中庭から聞こえてきたのです。
ふと中庭へ目を向けると楽しそうに笑い転げる子供達・・・

カチカチになっていた心が一瞬ゆるみ、素の自分に戻る事ができました。 
どうやら近くの保育園のお散歩の場所になってたようなのですがそんなささいな事
にずいぶんと心が救われた気がしました。

なんてことはない中庭、そこに子供たちの声、キャッチボールをする音、春めいて
きた風の匂い、外部からいろいろと豊かなものが遊びに来てくれるのですね。

病院へ行く時はどちらかというと少し気が重い・・・
その帰り道、薬局へ向かう途中に”えんがわ”と”庭”をつくり患者さんがふとい
つもの素の自分の戻れる、そんな場所ができたらなぁ・・
という思いを込めて、そして母の顔を思い浮かべながら設計しました(^-^)
いつか”えんがわ”に佇む人を見れるのを楽しみにしています。

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えんがわ薬局現場ブログ
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2019.2.20

これまた設計仲間のSさんより教えて頂いたNHKの番組、生活の中から生まれた
アノニマスな道具はとても魅力的。

僕は柳宗理さんのデザインが好きなのですが、柳さんのつくる”かたち”にどんなに
時代がたっても色褪せない魅力があるのは柳さんのデザインの根っこに脈々と繋が
る民藝の力があるからだと思います。

今週は松本の木工について、てしごと好きは必見です!

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その他
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2019.2.18

黒磯のアンティークショップ「タミゼ」さんで見つけたシェーカーの本

家具や生活の道具など写真を眺めているだけで気持ちが引き締まります。
シェイカー教徒のスピリットが空間にあらわれているのですね、簡素で清潔な
洗いたての真っ白なシーツのような清々しさ、いつか見学してみたいものです。

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2019.2.16

京都の高山寺石水院へ行ってきました。

京都駅からバスで小一時間ほど、栂尾の山中に佇む古刹。
日本最古のお茶園や「鳥獣戯画」など建築以外にも見どころの多い
お寺です。

来て良かったなと思ったのは畳の間からこの風景を眺めた時。
遠くに広がる山々の風景ももちろん良いのですが、少し武骨な
部材で風景を切りとる開口部のプロポーションが最高でした。

一間の幅に高さ1900㎜の開口、少し武骨な柱がまた良いのですね。
やはり設計の本質はプロポーション、実際の寸法をどう抑え決めて
ゆくかなのだなぁ・・・とあらためて感じた建築探訪でした。

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京都・奈良建築探訪手描きスケッチ
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2019.2.13

昨春から計画を進めていた「かまぼこ屋根のクリニック」が上棟しました。

女性がメインの診療所となるため、やわらかい雰囲気のクリニ
ックとなるように設計してあります。
光をやさしく反射する曲面の壁や、オレンジ色の間接照明を使
い診察を待つ間も落ち着いて過ごせるような場所としました。

診察を受ける前は誰でも不安な気持ちになるもの、そんな時に少し
ユーモラスな形をした診察室の小屋が「どうぞこちらへ・・」と迎え
入れてくれる。
そんな情景を思い浮かべながら設計を進めました、みんなに愛される
クリニックとなると良いです。

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かまぼこ屋根のクリニック現場ブログ
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2019.2.11

今プランを進めているクライアントさんとの雑談の中で「ワイエスの絵が好き!」
との話題が、僕も好きなのでひとしきり話が盛り上がりました。

その流れで本屋さんにいくと偶然ワイエスの作品集が目に・・・
派手な絵ではないのですが独特な構図と”しん”とした世界観は惹き付けられる
魅力があります。
頑固でそっけないけどその裏にあたたかさをかんじる人物のよう、
画集をめくる時間はとても豊かですね、料理とともに幸せの元かもしれません。

Category
美術・展示会
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2019.2.9

「コノジの平屋」の基本設計図納品させて頂きました、
クライアントさんの要望に沿ってゆったりとした坐りの良い
プランになりました。

図面を立体的な模型に移しててゆくのはいつも愉しい作業です。
模型が出来上がると頭の中でクライアントさんより先にお家にあがり、
ブラブラと家じゅうを歩き回ります(笑)

帰りがけにクライアントさんから嬉しい(美味しい)頂きもの!
週末の雪を眺めながら喉を潤します。
小野を信頼し、仕事を頼んでくれたという事が僕にとって1番の報酬
そしてビールが2番目の報酬(笑) Wさまおいしく頂きます、
ありがとうございました(^^)

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手描きスケッチ計画案
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2019.2.6

昨日から始まったNHKの番組、設計仲間に教えて貰ったのですが
本をめくるだけでも魅力的な台所が並んでいます。
僕も週末にたまに料理をするのですが、台所には暮らしの楽しさや
幸福のヒントがあるような気がしています。

第3回の放送では建築家の中村好文さんの台所も登場!
暮らし好き、料理好きには要チェックの番組です。

Category
料理
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2019.2.4

「寄棟やねの家」のダイニングテーブル(丸)を設計中、
クライアントさんから足は真ん中に近い方が良いと要望を頂きました。

一本脚でもたせようとすると脚の断面寸法がかなりゴツくなってしまいます、
真ん中付近で4本脚に分割し、さらに材料の角を面取り加工をすることでスキッ
とした意匠を狙いました。

家具図面を書く時はいつもシェーカーとモーエンセンの本を脇に置きながら進め
るのですが、脚部の面取りはモーエンセンのシェーカーテーブルを参考にしてい
ます。

この図面を家具工房の長谷川さんへチェックしてもらい、構造、接合等について
アドバイス頂いた上で製作にかかります。
一緒に仕事をすすめてくれる専門家がいてくれるからこそ出来る事!
今後も心地よく素敵な家具を設計してゆきたいです。

Category
家具寄棟やねの家
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