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2022.5.14

東京都現代美術館へ「吉阪隆正展」を見に行って来ました。

茫洋とした佇まいで煙草をふかす吉阪さん、その周りに
学生さん達が嬉しそうに寄り添っている映像が印象的でした。
吉阪さんは若者達が身を寄せる大きな傘のような存在だったのですね。

2度の大戦を経験した吉阪さん、
「自邸」にも「セミナーハウス」にもどこか焼け跡のバラックの
記憶が染みついているように感じました。

「今、人間は何をいちばん求めているかを語り、これを具象的に示す事だ。
 能率中心の考えからすれば、むだだということかもしれない。
 どこまでもどこまでも広がってしまった世界では、
 何かのよりどころという事かもしれない。
 生きているのだという象徴が欲しいのだ。
 どれもこれも相互性のある部品化してしまった世界に、
 それでも私はここにいると示したいのだ。」

自分を風車に向かうドンキホーテになぞらえて「有形学」を立ち上げた吉阪さん。
深い眼差しを持った建築家の言葉には、ゴロっとした確かな手触りを感じます。

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美術・展示会
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2022.3.14

柚木沙弥郎展へ行った時に買い求めたペンチとトンカチ
のカードを額装して事務所の壁に掛けてみました。

柚木さんの、もよう・かたち は素朴なのですがモダン
眺めているとわくわくしてきます。

息子が小さい頃、よく一緒に公園で遊んだのですが
その時の彼らの様子を思い出します。
ただそこに居るだけでうれしくて、泥をさわったり
汗ばんだおでこのまま風の中へ突進してみたり。
柚木さんの”かたち”はなにかそういった”いのちのふくらみ”
のようなものを感じます。

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美術・展示会
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2021.12.29

PLAYミュージアムで開催されている「柚木沙弥郎展」へ行ってきました。

簡素であたたかい柚木さんの版画。

染色の布、シンプルなのに奥深い不思議な意匠。

ほっこりした伸びやかさと、切り裂くように洗練されたデザインが同居した
柚木さんの布、ずっと眺めていたくなります。

柚木さんがインドを旅した際に現地の家について記した文章があります。

「壺を作るように住まいを泥で作る。
壁も入り口も棚もかまども、土のふくらみを人の掌に
受け止め柔らかいまるみに仕上げる。
少なくて豊か、簡単で十分、私は弟子になりたい。」

”少なくて豊か、簡単で十分”
僕もそんな住宅をつくりたいなぁ、となんだか嬉しくなりました。

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美術・展示会
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2021.12.21

「和田誠展」へ脚を運んできました。

和田さんの作品は、乾いていてシャープで瑞々しいです。

ちょっと地味な談志師匠。(笑)

イラスト、映画、文筆、作曲とよくもまぁこんなに仕事を
されたなぁ・・・と圧倒されてしまいます。
和田さんのイラストは単線と塗りつぶしのシンプルな印象を受けますが
その一本の線の背景にはこれでもかという程の地道な積み重ねがあるのですね。
仕事を愛し真正面から向き合う、とっても素敵な展示会でした。

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2021.10.13

水戸芸術館で開催中のピピロッティ・リスト展へ脚を運んできました。
本当に久しぶりの美術展、ふらっと美術館へそんな日常が戻りつつある
事が素直に嬉しいです。

ピピロッティの作品はどれも見ごたえがありとても良い時間が過ごせました。
また設計者としては展示の構成がとても興味深いと感じました。
通常の美術展では、垂直な壁面に水平方向へ作品を並べて行き、それを順番に
鑑賞してゆくという構成。
他の鑑賞者と目線の高さが同じになるため、作品と人が重なってしまったり
隣に順番を待つ人がいればいつまでもじっくりと・・という訳にもいきません。

今回の展示構成は、床に並べられたクッションに寝転んだり、ランダムに配置
されたベットに仰向けになって天井のスクリーンを見上げるという斬新なもの。
もちろん美術展で人が寝転んでいる、という風景も面白いのですが
寝転ぶ事で他の鑑賞者と視線が重なる事無く、周囲に人の気配は感じつつも
基本的には一対一で作品と向かい合えるのがとても良かったです。
壁面に作品を飾る、という既存のプログラムを一度疑って「鑑賞者と作品の
良い関係」を最初から問い直す。
建築を設計する時も大切な姿勢です。

コロナ禍の自粛生活、自分の内面を掘り下げる良い面もありましたが、
少しづつまた外と繋がってゆく事ができると良いですね。

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2021.3.9

美術館as it isで開催されている~望月通陽展~へ行ってきました。
リルケの「マルテの手記」一行の詩のために、へ寄せた展示。
同じ題材のベンシャーンの版画集が大好きなので、どんな作品になる
のだろうと楽しみにしていた展示会。
美術館の静謐な空間と、望月さんのまろやかな線が心地よく贅沢な
時間を過ごせました。

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2021.2.4

大好きな染色家、柚木沙弥郎さんのリトグラフを事務所の壁に飾りました。
フランスの工房「Idem Paris」で昔のプレス機をそのまま使い、
職人さんと同じ目線で交わってできた作品。
眺めているだけで気持ちがたってくるような独特の魅力があります。

柚木さんは”言葉”も良く、文章を読んでいると膝を打つ思いがします。
あるインタビューで
「暮らしのセンスを身に着けるコツ」について語られた言葉が
とても共感したので、少し長いですが以下に引用させて頂きます。

「例えばワインを楽しむ時に、それを入れるのは紙コップではダメなの。
ごまかした案ではなく、
そういうことに対しては誠実でありたいという気持ちが大切。
インスタント的な暮らしには人生の実感がないんじゃないかな。
やっぱり本物でなきゃ。本当の意味のリアリティが欲しい、
だから実物に触れて欲しいと思っています。
自分が意識してこういう暮らしをしているんだという自覚を持つこと。
それは教えられるものでなく、自分が学び、経験して、こういうものが好きだと、
その意思を高めていくことが大切だと思っています。」

“自分が意識してこういう暮らしをしているんだという自覚”

ハっとするような言葉です、落語にでてくる”了見”や”矜持”に近い感覚でしょうか。
ゆめゆめ忘れてはならない大切な感覚だと感じました。

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2020.11.1

水戸芸術館で開催されている「道草展」へ脚を運んで来ました。

「植物」がテーマとなっており、展示室に入ると工事現場や荒野に
生える「雑草」のモノクロ写真が並んでいます。
「雑草」と一括りにされ、人に邪険にされ、
それでも多様性を保ちつつ厳しい環境にたくましく根をはる姿。
コロナ下の人々の姿と重なり、痛々しさと希望を同時に感じました。

しばらく行けなかったからこそ、アートに触れる事の嬉しさを余計に
感じた今回の美術展。
不要不急なものかもしれませんが、日々の暮らしの時間からで”ふっ”
と離れる事の出来るとても大切な場所です。

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2020.2.23

東京都美術館で開催中のハマスホイの美術展へ
静謐な室内の絵が有名ですが、僕は奥さんを描いた
絵がよいなぁと思いました。
特に入り口に飾ってある2人の自画像。
若き日のちょっと不安げなハマスホイと、
大丈夫、うまくいくわよといった表情の奥さん。
少し自分の独立した頃を思い出しました(^^)

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美術・展示会
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2019.12.21

先週末に上野に「コートールド美術館展」を見に行きました。

マネ、モネ、ルノワール、ドガ、などの質の高い作品が、
さほど絵に詳しい訳ではありませんが、感覚的にルノワールの
初期の絵が良いなぁ~と感じました。

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