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2017.12.29

憩暖さんから届いた暖炉用ツールセット、中村好文さんの
デザインです。
普通のかたちなのだけれど滋味があって可愛らしい、とて
も好きなかたちです。

ono設計室は今日で仕事納め、今年もたくさんの素敵な出会
いがあり設計の仕事を満喫する事ができました。
間違いなく天職(笑)であるこの仕事を来年も存分に味わい
たいと思います、では皆さん良いお年を~!

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その他
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2017.12.27

パリの「ポンピドゥーセンター」、オーストラリアの「シドニーのオペラハウス」
などの錚々たる建物に関わった構造エンジニア、ピーターライスの本。
ピーターはエンジニアの役割について次のように語っています。

「建物に使われた素材の本当の存在感を見せるために、素材や構造の知識を使う
のだ、そうする事によって、(建物が「感覚的」になり)人々はその建物に親近
感を持ち、触れたくなり、素材の感覚を味わったり、それを建てた人物のありさ
まを感じたくなる。」

「ある建物を「感覚的」なものにするには、人々がその建物に関わったという証
拠を残すことなのだ。」

また建物が「感覚的」であることで生まれる「存在感」については

「存在感というのは、人間とその建物を過去につなぐものなのだ。動物も、先に
通った動物の跡をつけ、新しい場所を探すことで、自分自身を確かめている。そ
こをかつて占有していたものの臭いを嗅ぎだすのだ。」

つまりエンジニアは素材を素直に表現する事で建物を「感覚的」にし、産業によ
って断絶してしまった建物と人々の関係をつなぎなおす。
そして建物の「存在感」によって人間と建物を過去につなぎ、そのつながりによ
って人間は自分の存在を確かめ安心する事ができる、という事でしょうか。

なんだかとても深い話ですね。
自分の通った小学校の校舎や祖母の家を久しぶりに訪れた時、目に入るそれぞれ
の場所の視覚的な情報と共に
「ここでこんなことしたなぁ~・・」とか
「庭にこんな木が植わってたよなぁ~・・」
という当時の記憶、や物語、匂いのようなものが同時に湧き上がっくる経験は誰
もがあると思います。
そうした「ノスタルジー」のような感覚は、今自分がここに存在することを肯定
し、慰めとなる「暖炉の火」のようなものかもしれませんね。
建築の本質的な役割として、「建物と人を過去につなぎ、人と時間の大きな流れ
のつながりを感じさせる」という事があるという事、
お寺やお墓参りにいくとなぜか安心するのも腑に落ちました(笑)
この「時間」「記憶」というものは、住宅を設計する上でもとても大切な要素、
ゆめゆめ忘れる事のないよう仕事に励みます!

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2017.12.25

今日はクリスマス、なんだかあっという間の一年ですね。
上の写真は益子の古道具やさんでみつけたサンタさんの
マトリョーシカ。
入れ子構造になっていて開けるちっちゃいサンタのおじ
さんが繰り返し出てくるおなじみのやりくち、分かっち
ゃいるけど楽しいです(^-^)
建築でも「入れ子構造」といえば毛綱毅曠さんの「反住器」
や家のなかに都市がある「原邸」などを思い出します。
また古い民家の石垣→庭→縁側→座敷といった流れも入れ子
近い形態、囲いを何重にも重ねる事でグラデーションのある
空間を生み出す、素敵です。
マトリョーシカから建築論へ、職業病もいいとこですね(笑)
今年もあとわずか、一日を大切に重ねてゆきましょ~~!

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身の廻りのモノ
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2017.12.22

息子達とスターウォーズの最新作を観てきました。
映画の最初にながれる”パパパパーン パーン”というテーマ曲、銀河に
吸い込まれてゆくおきまりの文字列、これを見ただけでもう満足してい
る自分がいます(笑)
最初にスターウォーズをみたのはエピソード6の「ジェダイの復讐」
祖母に手を引かれワクワクしながら映画館へ歩いていったのを覚えてい
ます。
そう考えると親子4代にに渡ってスターウォーズを楽しんでいるという
事、こんな映画ほかにありませんよね!
どうせならこのまま自分がヨーダのような顔になり(笑)孫の手を引いて
映画館へ行く時まで続いて欲しいとおもう物語です。

Category
映画
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2017.12.20

クライアントさんのご厚意により「春霞の家」の竣工パーティーを開きました!
工務店の監督さんや大工さん、板金屋さん、建具屋さんなどの職人さんも集合
して貰い賑やかな集まりとなりました。
このパーティーにはドレスコードがあり僕の作ったTシャツを着なければ参加
できません!
40、50代のよいおじさん達がピチピチになりながらTシャツ姿で並んでいる様子
は思わず笑みがこぼれてしまいます(笑)

食事をつまみながらリラックスした雰囲気の中現場での思い出噺に花が咲きます。
職人さん達が
「ここが大変でさぁ・・」とか「設計が細かくて・・」とか言いつつも
「ここの配線はこう通したんだよ!」とか「この家はサッシがないんです」
など結構なドヤ顔(笑)で話してくれているのを聴くと、この人達は図面に書いて
あるからやるのではなく、「自分の仕事」として矜持を持って取り組んでくれた
のだなぁ・・と素直に感動しました。

最後はみんなで三本締め!
「住宅をつくる」という事はクライアントさんにとってはもちろん、設計者や
職人さんにとってもひとつの愛すべき楽しい「物語」だなぁ・・と感じ、ます
ますこの仕事が好きになりました。

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春霞の家現場ブログ
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2017.12.18

水戸芸術館で行われた「新ダヴィッド同盟」の演奏会へ行って来ました。
実はクラシックとはあまり縁のないまま過ごしてきたのですが、グレン
グールドのCDや小澤征爾さんの「第9」を聴いて楽しくなってしまいま
した(笑)
今回はヴァイオリンの庄司沙矢香さんの演奏を聴いてみたくて出掛けた
のですがやはり音が素晴らしかったです。
庄司さんは普段は目力の強い「一歩も引かないぞ!」といった表情なの
ですが、演奏の終わった後にこぼれる子供のような笑顔がとても魅力的でした!
幸い近くに水戸芸術館という素晴らしい施設があるので今後もちょこちょ
こ音楽を聴きに行こうと思います。

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音楽
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2017.12.15

玄関や開き戸のドアノブ、丁番などに使う堀商店の金物
建具工事の現場でいつもその形のうつくしさに見とれて
しまいます。

新進気鋭のデザイナーがやりました!というようなシャープ
さ、奇抜さはなく、どちらかというと地味で懐かしいような
形、簡素でありながらシンプルとは違いどこか人の手を思わ
せる暖かさを感じます。

これと同じような思いを柳宗理さんのカトラリーをはじめて
見た時も感じました。
柳さんは図面を引かずに粘土模型を自分の手で捏ねながら形
を決めていったと何かの本で読んだときになるほどなぁ・・
と納得しました。
「簡素でありながら滋味深く品のあるうつくしい佇まい」
そんな住宅を設計したいなぁと日々思っております(^-^)

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その他
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2017.12.12

デンマークの首都コパンハーゲン北部に建つルイジアナ現代美術館、
この本は美術館へ行った時にショップで買い求めたもの、本を開く
と美術館がどのような経緯で建てられたのか美しい写真とともに詳
細に書いてあります。
はじめてこの美術館を訪れた時になにか懐かしいようなくつろぐよ
うな気持ちになったのを憶えているのですが、本を読んで少し納得。
建物の設計者はヨルゲン・ボーとヴィルヘルム・ヴォラートという
建築家ですが、二人が影響を受けたのがフランクロイド・ライトや
ルドルフ・シンドラーの住宅だったとの事。
ライトもシンドラーも日本の影響を強く受けた建築家で、ルイジア
ナ美術館のスケールの低さや水平方向に流れる動線などにも日本の
木造建築の影響が表れています。
一人でひょっこり訪ねた日本人として思わず「つながってるなぁ~~」
とつぶやいてしまいました(笑)

今回で二度目の訪問でしたが何度来ても飽きずに一日過ごせる美術館、
日本でいえば京都のような場所です。
JRではありませんが「そうだ、ルイジアナへいこう!!」
と行きたくなってしまう場所、もう少し近いと良いのだけれど・・・

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2017.12.6

ジョン・カサヴェテス監督の映画「アメリカの影」
ざらついたモノトーンの映像と、台本のない即興的な演出が印象
的な映画です。
ニューヨークのマンハッタンに住む黒人と白人の血を受ける3兄弟
の物語なのですが、弟役を演じるベンが夜の街へふらふらと歩いて
ゆく最後のシーンは、若者、マイノリティーが抱える苦悩、焦りが
ひしひしと伝わってきます。
カサヴェテス監督の映画はいつも弱者へのドライな、そして暖かい
視線を感じます。見終わった後に自分の体の中になにか実感のよう
なものが残る骨太な映画だと思います。

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映画
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2017.12.4

過去に薪ストーブのあるお家を設計した事はあるのですが、
ペレットストーブを入れたのは始めてでした。
僕が感じた薪ストーブとペレットストーブの違いについてまと
めてみます。
まずポピュラーな「薪ストーブ」について、良い点はなんとい
っても薪が燃えるワイルド感(笑)、パチパチと燃える炎の音や
ほんのりと香る木の匂い、火を眺めていると縄文人の感覚と直
接つながるような本能に訴えかけるものがあります。
逆に難しい点としては煙突の煙と薪の確保があります、薪スト
ーブではある程度は煙突から煙がでてしまうので密集した市街
地などではご近所への心配りが必要です。
また薪は思ったよりも量が必要なので、休日の薪集めや薪置き
場の確保など手間をかける事が必要になります。
「ペレットストーブ」は今回はじめてなのですが良い点はとて
も気軽な事、着火の方法はダイヤルを捻るだけですし、燃料の
ペレットはホームセンターなどで購入できます。ペレットは圧
縮されているため置き場をとらず、煙もほとんどでないのでお
隣への気遣いが減ります。
難点はデザインとワイルド感、デザインについては派手なもの
が多かったのですが最近は簡素なデザインのものも増えてきて
いるので大丈夫、ワイルド感については火の見えるFF式ファン
ヒーターなので薪の火に比べるとやはり「少しおとなしい制御
された炎」という印象があります。

伸びやかな敷地でワイルドな暮らしをイメージされているのな
ら「薪ストーブ」
密集した市街地で、薪集めなどあまり手間を掛けられず気楽に
楽しみたいなら「ペレットストーブ」
といった感じでしょうか。
ただどちらにせよ「火のある暮らし」はとても魅力的だなぁ・・
と感じました、今後も自分の感じた事を書いてゆきたいと思います!

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