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2022.4.4

先に投稿した「新版・日本村」合わせてこの「百年前の日本」を読むと面白い、
今から130年程前、1890年頃の日本各地の様子が明治の「お雇い外国人」
エドワード・モースによって撮影されています。

「新版・日本村」では1970年頃の”高度成長”によって経済大国へひた走る様子を、
「百年前の日本」では1890年頃の”明治維新”による急激な近代化へ舵を切った国の
 様子を、都市部、農村部ともに確認する事ができます。
「明治維新」「高度成長期」という日本の大きな転換期を2冊の本で追う事ができ
るのはとても興味深いです。

亀戸天神の藤棚の様子、まるで浮世絵のような風景。

銀座の大通りの様子、電線、路面電車が走る近代化してゆく街並み、
ただ両側に並ぶ建物は瓦屋根の木造2階建て、街のスカイラインは崩れてません。

農村部はほぼ江戸時代のまま、「新版・日本村」に収められた地方の写真は
まだこの風景との繋がりを感じます。
本の終わりにモースの言葉が載っていました。
「この国の文化は、日ならず、西欧化の波にのまれて、消え去って
 行くであろう。その前に、記録しておくのだ。」
今の日本の街並みとは断絶した「百年前の日本」の情景、
現在の街並みの原型を見る「新版・日本村」のモノクロ写真、
変わりゆく街のポートレイトとして貴重な2冊の本です。

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