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2022.4.1

誕生日に家族に買ってもらった新版「日本村」
淡路瓦師でもある山田脩二さんの写真集です。

1960~70年代、高度成長期に無秩序に変容して行く都市部の様子、
土臭くうらぶれながらも街の記憶や身の丈の景色を保持する地方の風景。
都市と地方が”断絶”して行く様子をザラリとしたモノクロ写真で切り取って
います。

1970年頃に超高層ビルが立ち上がってゆく都市の風景、
ここで街の”ありかた”のようなものが決定的に変わった事を感じます。
定食屋や居酒屋が並ぶ「街」に打ち込まれた圧倒的な超高層のスケール。
資本というもののパワーを剥き出しにしたマッス・塊は、ゆるやかに繋がっていた
スカイラインや染みついた街の記憶を無視するかのように聳え立っています。

建築家の内藤廣さんがこれからの50年、100年を考える時は50年、100年
の過去を探れ、というような事を書いていましたが、半世紀前の日本の
街の息遣いを感じ取る事のできる貴重な写真集です。

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