ブログ

2021.8.16

「山のパンセ」の著者、串田孫一さんの本。「ギリシア神話」
串田さんの飾り気のない淡々とした文体のおかげで、
すんなりと楽しく読む事ができました。

こうした”神話”や「遠野物語」のような”民話”はお説教くさくなく
また隠された意図もなく、清々と読む事ができますね。
聖書で「右の頬をうたれたら・・・」などといわれても
うーん、ちょっとそれは・・・という感じですが。
「女神アテナが人間のアラクネと機織りの腕比べをした。
自分よりうまかったので織物を真っ二つに割き、アラクネを蜘蛛にしてしまった。」
こっちのほうがお茶目で、そういうもんだ!と腑に落ちますね。
落語の「あくび指南」のよう。

もちろん人々の無意識の世界に支えられている神話、民話は奥が深いのですが「意味」や「私情」に囚われる事なく朗らかで健全な話だと感じました。

Category
Tag