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2021.2.4

大好きな染色家、柚木沙弥郎さんのリトグラフを事務所の壁に飾りました。
フランスの工房「Idem Paris」で昔のプレス機をそのまま使い、
職人さんと同じ目線で交わってできた作品。
眺めているだけで気持ちがたってくるような独特の魅力があります。

柚木さんは”言葉”も良く、文章を読んでいると膝を打つ思いがします。
あるインタビューで
「暮らしのセンスを身に着けるコツ」について語られた言葉が
とても共感したので、少し長いですが以下に引用させて頂きます。

「例えばワインを楽しむ時に、それを入れるのは紙コップではダメなの。
ごまかした案ではなく、
そういうことに対しては誠実でありたいという気持ちが大切。
インスタント的な暮らしには人生の実感がないんじゃないかな。
やっぱり本物でなきゃ。本当の意味のリアリティが欲しい、
だから実物に触れて欲しいと思っています。
自分が意識してこういう暮らしをしているんだという自覚を持つこと。
それは教えられるものでなく、自分が学び、経験して、こういうものが好きだと、
その意思を高めていくことが大切だと思っています。」

“自分が意識してこういう暮らしをしているんだという自覚”

ハっとするような言葉です、落語にでてくる”了見”や”矜持”に近い感覚でしょうか。
ゆめゆめ忘れてはならない大切な感覚だと感じました。

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美術・展示会
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