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フランク・ロイド・ライト「落水荘」
2022.1.17

ライトといえば「落水荘」
それくらい有名な住宅ですが、トレースするのはなぜかいつも後回しに。
というのもプランがスカッとせず、床のレベルもまちまち、
構造も複雑で建物の全体像がなかなか掴みづらいからです。
建築関係の人でも落水荘のプランがすんなり出てくる方は少ないのでは。

そこで今回はまず「落水荘」の構造を理解する事から始めてみました。
かなりざっくりと構造をとらえると
➀ 川べりの岩盤と垂直方向に4本のコンクリートの梁を打ち込む。(基礎はない)
➁ 川岸から遠い方向に煙突、設備を内包するコアとなる石積みの壁を立ち上げる。
➂ 梁と石積みの壁が建物の足腰となり、そこに抽斗を置くようにキャンチレバー
  した床面を積み上げてゆく。
応援団の旗持ちのようなイメージでしょうか(^^ゞ
基礎が無い、建物全体でキャンチレバーを支える
というかなり無理をした特殊な構造。
いいかえれば大胆で独創的、ライトにしか決断できない勇気ある建築です。

基本構造を理解した上で改めてプランをじっくりと。
4本の梁のラインと、コアとなる石積みの壁を目印として平面を見ると
全体の構成がすっきりと見えて来ます。

「落水荘」は唯一無二の建築ですが、
読み込んでゆくと「ロビー邸」のキャンチレバーのしくみを90°づつ
角度をずらしながら重ねた構成と捉える事も出来ます。
”暖炉”を中心に据え、そこから水平方向へ空間を伸ばしてゆく。
ライトの流儀は初期の頃から脈々と繋がっているのですね。

定期的に行う「名作住宅トレース」なにが良いかというと
トレースするために資料や写真、図面をなめるように眺める事。
なんとなく知っていると思っていた建築の構成、構造、デティールなど
あらためて発見、理解する事ができ”建築”がますます好きになります。
今後もコツコツ続けてゆこうと思います。

Category
フランク・ロイド・ライト手描きスケッチ
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