ブログ

2022.6.6

「川縁の家」外壁2回目の塗装が完了し引き締まった印象になりました。

内部では電気屋さんと建具屋さんが黙々と作業を進めています。
「照明」と「家具」は設計をすすめる上で大切にしているポイント。
照明器具は目立たせず、落ちてくる光を壁・床面でいかに受け止めるか、
天井は少し陰りがあるくらいでちょうど良いと思っています。
家具はなんといっても直接手で触る身近な相棒(道具)
・触り心地良く・使い勝手良く・目にも優しく
そんな家具は暮らしをぐっと引き立ててくれます。

造作のキッチン収納も仕上がって来ました。

天窓からやわらかく落ちる光、
光を設計するという事は、光を受け止める壁面を設計するという事ですね。

Category
川縁の家現場ブログ
Tag
2022.6.4

なかなか旅行ができないので昔の旅を振り返ってみました。

北海道の大学でワンダーフォーゲル部に在籍していた当時、
愛読書は藤原新也「インド放浪」と小林紀晴「アジアンジャパニーズ」
ガンジス河の畔でパチパチと焼かれる亡骸の写真を眺めながら、
いつかここに身を置かねばなるまいと心に決めていました。
念願叶ったのは東京の建築学科のある大学へ編入してから、
コルビュジェとカーンの建築を口実にインド→バングラディッシュの
旅へ出ました。
もちろん気軽な一人旅、バックパックを背負い「行ってくるよ」と
家を出る時、祖母が「生きて帰ってくるんだよ~~」と目を潤ませて
いた事を思い出します。

成田からクアラルンプールを経由してデリーの空港へ着いたのは午前3時過ぎ、
出国ゲートを出た瞬間タクシーの客引きが殺気立った目で「ベリーチープ!」
と叫びながらリュックを”ぐいぐい”引っ張ってきます。
しょうがないので似たような境遇の旅行者数人で荷物を中心に円陣を組んで朝まで座り込み。
6時頃ようやく空が明るくなり始め、ニューデリーの中心街へ向かうバスへ逃げ込むように乗車。
スピード出し放題、クラクション鳴らし放題のバスを降りやっと街へ辿り着くと
今度は物売りの少年少女が無言でペンを”ぐいぐい”突き出してきます。
インドについてからひたすら”ぐいぐい”されているなぁと思いながら
なんとか宿へ。
ヘトヘトになって一寝入り、夕方になりバザールを散策。
屋台のバナナを買うとサービスとばかりに猛烈にカレー粉を振りかけてくれました(笑)

翌日、
旅の疲れもあるのか食堂のカレーを食べて猛烈に腹を壊しホテルで紹介してもらた町医者へ。
注射を打って貰いホッとしていると、サイババのような医者の口から
「この注射はベリーエキシペンシィブね、ユー300ドル払いなさい」
というぼったくりバーのようなセリフが
「ワタシ財布はホテルにある、また今度払いに来るよ」
とこちらも下手な英語で応戦
「OKアナタ今から私の助手と一緒にホテルに行ってマネー取ってくる」
と2人の助手がホテルまでの道のりをぴったりと寄り添うように・・・
ホテルの入り口に着いたところで助手を待たせ一人フロントへ、
宿のおじさんに状況を伝えると
「部屋へ戻れ、荷物を取れ、そして裏から逃げろ Run away!」
と裏口から逃がしてくれました。
平和な日本の日常から48時間ほどでドラマのような修羅場の連続。
次の宿へもぐりこみ、掃除夫のお爺ちゃんの嘘のように美しい鼻歌を聴きながら
「インドに来たんだなぁ~」とひたひたと実感すると共に
早くこの街を抜け出そうと心に決めた24歳の夜でした。

Category
インド建築放浪
Tag
2022.6.1

「川縁の家」現場もいよいよ終盤へ。

ビルバオグッケンハイム美術館を設計した建築家、フランク・ゲーリーは
以前「美術」と「建築」の違いをきかれた時に「窓があるかないかだ」
と答えたそうですが。
「窓をどうとるか」は建築設計の大きなテーマのひとつです。
窓をどうとるかはつまり
「光をいかに室内にまねき入れるか」
「外部(自然)とのつながりをどうとるか」
という事であり、まさに設計の本質的な部分。
もちろん住宅においても「窓」は設計の肝となる要素で、大きさ、高さ、方角など
スケッチしながら様々な角度から検討を重ねます。

今回の打合せには造園家さんも同席、窓から見える風景、室内と外部(自然)の
関係を現場に立って検討されています。
たぶん造園家さんの頭の中では様々な樹々が芽吹き、花を咲かせ
枝を伸ばしている事でしょう。
邪魔しないようにパシャリとシャッターを押させて貰いました。(^^)

Category
川縁の家現場ブログ
Tag