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2018.8.6

建築家、益子義弘さんの本。
場所や空間のなりたちを丁寧に読み解き「今生きる人の場の
適合のありかを探す」という益子さんの設計のスタンス。
上野の芸大のキャンパスにバルザックの彫刻が据えられた時
に場所一体の見え方感じ方が新鮮なに変わったという文章や、
イランの閉鎖的な住まいのつくりは気候だけでなく、人が広漠
とした荒野に対する精神的な恐怖や恐れ、不安を解くかたちな
のではないかという指摘、
益子さんのまなざしは「その土地がどのようななりたちをしているのか、
そしてその中で建築が人の場所の経験に寄与できることはなにか・・」
という深く本質的なところまで潜っていきます。
益子さんの建物に入った時に感じるやさしく清廉な雰囲気はこのような
設計姿勢から生まれているのだなぁ・・と感じ入りました。

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