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中村好文さん~設計図集~
2019.5.10

少し現場も落ち着いて来たので中村好文さんの「湖畔の山荘設計図集」をじっくり
と読んでいます。
興味深かったのが敷地を訪れて最初のプランから、季節をまたいでの最終プランへ
の変遷の記録。
住宅設計のマイスター中村好文さんが、敷地を確認し本当にこれで良いのかと疑い、
配置を変更し、プランを反転させ、最終案へ「着地」させてゆく様子を追体験する
事ができます。
そしてこの地道でしんどいコツコツと積み重ねるような日々の業務こそが住宅設計
という仕事の醍醐味なんだなぁ・・・とあらためて感じました。

池袋での好文さんのトークイベントにも参加したのですが、印象に残った
のが建築用語の「おさまり」について
部材の取り合いを意味する建築用語なのですが、
「こうしないとしっくりこない、なんか気持ち悪い、おさまりがきちんと
 すると設計者のこころもおさまる、こころのおさまりが大切だよね。」
という設計者なら誰もが膝を打つお話。
図面を描いている時も現場でも、誰に言われた訳でもないのにそのままでは
自分のこころの「おさまり」がつかず、一からやり直したり、身銭を切って
つくり直したり。
そしてやっと「こころがおさまる」
住宅設計は「経済性」と「効率」の世の中で「こだわり」と「おかしみ」を
追いかけるシーラカンスのような愛しい職能ですね。

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3人の建築家
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