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沖縄建築旅~「銘苅家住宅」
2018.3.5

沖縄建築ツアーで一番楽しみにしていた「銘苅家住宅」へ
軒先H=2100というものがどういう佇まいなのか楽しみです。

銘苅家のある伊是名島へはフェリーで向かいます。

フェリーを降りてバスに乗りやっとこ着いた「銘苅家住宅」
左側の石垣は招き入れるような曲面となっており、母屋の軒
先が雁行する様子はレストランのウエイターがどうぞこちら
へ!と手を差し出しているかのよう(笑)
カチッとした「中村家」よりもくだけたアプローチです。

なんといっても心地よかったのがこの雨端の縁側、座った時
の軒先の低さ、道路側の石垣との関係も絶妙で一度座るとな
かなか立上れません。

平面をトレースすると構成は「中村家」とほぼ一緒、ただ屋根伏せ
を掛けてみると「識名園」や「中村家」はところどころ無理してる
な(笑)という場所があったのですが、銘苅家は屋根の斜め45度の線
がきれいに柱の上に乗ってきます。
この佇まいは骨格の美しさも関係があるのだなぁ・・と感じ入りま
した。

つづいて立面と断面、
石垣、防風林のフクギ、低く雁行する軒先ラインがきれいに重なり
あい環境に馴染んだ立面となっています。
また特に気になった雨端部分の断面寸法、イラストに描いた青の
点線ラインが「中村家」雨端部分の外形。
やはり「銘苅家」の雨端は高さ、横幅ともグッと抑えられとても
親密なスケール感になっているのが良く分かります。

ちなみに北側も奈良の「新薬師寺」のような大らかで伸びやかな
外観でした。

やっと見学できた「銘苅家住宅」思ったよりも低いという感じ
ではなく「ちょうど良い」というプロポーションでした。
また「銘苅家」「中村家」を続けて見学できたため同じ構成を
とっていても外構えの計画や高さの寸法の抑え方でここまで印
象が変わるのだなぁ・・と実感しました。
とても実測スケッチ甲斐(笑)のある建物に出会えた沖縄ツアー、
設計に迷った時はまた訪れたい場所となりました。

Category
建築探訪手描きスケッチ
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