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2014.7.8

地中海近くのニース(北緯43°)から出発して、北欧ヘルシンキ(北緯60°)まで北上していった今回の旅。
建築家の建物巡りとともに地域によって民家の形がどのように変化して行くのか? 住宅設計に携わる者として多いに興味がありました。
ちなみに札幌がニースと同じ北緯43°、東京は北緯35°、最多降水量231mmです

南仏ニースの民家、札幌と同じ緯度ですが海流の関係で暖かく、気温は東京と大差ありません、降水量は半分以下。
屋根は赤瓦の半丸一種類で作られ、軒はほとんど出てません、軒裏も漆喰で塗りつぶされています。
壁は荒い石積みで、幅の狭い窓が規則的に並んでいます。

フランス中部リヨンの民家
ニースの民家と基本的には一緒ですが、屋根は赤瓦だけでなく、外壁は石積みの上に漆喰がぴっしりと塗られていました。軒裏は木の構造材が現しになっています。

デンマークの民家
屋根が急勾配になり、出窓が付いています、屋根裏空間が部屋として使われている証拠です。日本の民家の兜づくりに近い形ですね、外壁は石積みだけでなくレンガ積みが多く見られます。

スウェーデン、フィンランドの民家
気温は東京-10°程度、降水量は1/4程
今迄の民家と大きく変わるのは木造になる事。聞いたところフランスなどと違い石が取りにくく森が豊かだからとの事でした。
大きな特長は外壁の赤と白の可愛い色使い。ログハウスのような構造材の上に板を張り、日本でゆうベンガラのようなものとトドの血などを混ぜ合わせて塗装する事で劣化を防いでいるようです。
ちなみにフィンランドの面積は日本とほぼ同じ34万km2ですが人口密度は1/20以下、ゆったりした暮らしが羨ましいです。
こうして観察してみるとやはりその土地の風土、気候、人口により建物や街が大きく変わる事を実感しました。
次は日本の民家を沖縄から北海道まで訪ね歩いてみたくなりました(笑)

Category
北欧
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