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2016.11.23

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クラウドファンディングの一環として開催された「中銀カプセルタワービル」の
見学会に足を運んできました。
今回は内部も見学可能との事でじっくりと見てきたのですが、錆や雨漏りなどさす
がに建物は劣化してきているなぁ・・という印象。
ただコンクリートの塔状のシャフト部分から各居のカプセルをぶどうの房のように
突出し、さらにそれが更新可能というコンセプトは今見ても斬新で、この建物が建
てられた時代の勢いのようなものを感じます。

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共用部からドアを開けてカプセルへ入るとなんだかフワッとして変な感じ。
それもそのはずカプセルは入口側の側面1面でボルト止めしてあるだけ、
つまりほぼ宙に浮いている状態、接地してある建物と浮いている建物で
これだけ内部にいる感覚が違うとは思いませんでした。
6帖程度の狭い空間ですが当時最新のブラウン管テレビ、オープンリール、
ラジオ、電話が家具に組み込まれ、机は壁面からパタリと倒れてくる仕組み。
ユニットバスの入口は巾52cmしかなく、宇宙船か潜水艦にでもありそうな
レトロ可愛いデザインでした。
丸窓は2重窓になっていて、当時はこの間に真ん中の芯を中心に扇子のように
ぐるりとまわって広がるプリーツスクリーンが入っていたとの事、
独創的で愉しくなる仕掛けが満載です!
ただこの浮遊感は僕には合わないようで、帰りは銀座の歩行者天国をよたよた
と千鳥足で歩きながら(笑)駅までやっとこたどりつきました。

Category
建築探訪手描きスケッチ
Tag
2016.9.30

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神戸衝原にある日本最古の民家といわれる「箱木千年家」を見学して来ました。

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スケッチを描くと屋根の大きさと極端な軒の低さが良く分かります、壁を手で隠すと
ほぼ竪穴式住居、ハイハイをしていた竪穴住居がスクッと立った姿のようです。

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軒の低さが気になり早速実測スケッチ、なんと一番低い部分でほぼ目線の1550㎜の高さでした。

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内部は暗くひんやりとした空間、動物の巣のような住まいの原点を感じます。

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この建物で一番いいなぁと思ったのがこの縁台のような軒下空間、内と外の中間領域、奥行も1300
程度あるので座布団を引けば外部リビングに、こういう場所は今の住宅でもとても楽しいスペース
にする事ができそうです。
昔の人々の暮らしを受け止めてきた民家には今の暮らしにも繋がるヒントがたくさんありそう
です!

Category
建築探訪手描きスケッチ
Tag
2016.4.21

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俵屋シリーズ最後は2階にあるアーネストスタディとよばれる部屋です、俵屋のT?のように
ガラスが十字にはめ込まれた入口のドアをくぐると屋根裏部屋のようなこじんまりとした心地
良いスペースが広がっています。

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奥にはお昼寝スペースが、堀の深い窓にガラスのオブジェが飾られ
1860㎜に抑えられた天井は独特の模様の壁紙で仕上げられています。

アーネストスタディ

実測スケッチこれで完了、噂にたがわず見どころだらけ(笑)の旅館でした!

庭座 図書室

おまけに庭座・ライブラリーの寸法スケッチ。

Category
京都・奈良吉村 順三建築探訪手描きスケッチ
Tag
2016.4.13

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俵屋旅館の魅力はなんといっても共用部にあると思います。
玄関を入ると目の前に坪庭がパっと開けます、1畳弱の板の間が張り出しており一脚の椅子が
しつらえてあります。座ってみるとじかに外の風を感じながら夜空を眺めることのできる室内
と室外のあいのこのような不思な空間、とても気持の良い場所でした。

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坪庭の奥にはラウンジスペースがあり雛飾りがしつらえてありました、そこをさらに奥へ進む
と和紙でくるまれた繭玉のような図書室が、あたたかくほんわりとした明るさの部屋にいると
心地良い眠気がおそってきます・・ 低い地窓からは庭を望む事が出来ます。

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眠気を振り払って(笑)客室へ向かうと通路の横に外部とツーツーの開口部が!ガラスも雨戸も
ありません。なんとも不思議な感じ、聞いてみると台風の時もこのままだとか、
俵屋には外と内の入り混じった不思議な場所がたくさんあります。

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さらに通路をすすむと脇にこれまた不思議なスペースが、躙り口のような入口を一段さがると
「庭座」とよばれるスペースがあります。床の高さと庭の高さが同じ、ガラス一枚で仕切られて
いてガラスと床モルタルをシーリング止めという納まり、コーナー柱の足元は隅きりして草の
ポットをはめこみ外部の草が内部にもつづいているように見せるというこだわりよう。
すごいの一言です!

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スケッチを描いてみると坪庭を取り巻くようにさまざまなコーナーが配置されているのが分かります。
・程よい大きさ(ヒューマンスケール)
・うす暗い部屋に低いオレンジの照明
・穴倉に隠れるかのような部屋の入り方
・和紙、瓦敷き、土壁など本物のやさしい目ざわりの素材
・高さを低く抑えた椅子、テーブルなどの家具
あたりが居心地の良さの秘密か・・・と考えました、まだまだ奥が深そうです。

Category
京都・奈良吉村 順三建築探訪手描きスケッチ
Tag
2016.4.11

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中村好文さんの本「意中の建築」を読んで以来ずーっと気になっていた京都
俵屋旅館さんへ行ってきました。

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俵屋には全部で18の部屋がありますが今回宿泊したのは新館の1階にある「竹泉の間」
設計は吉村順三さんです。

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掘り炬燵式の座卓があり、雪見障子越しに専用の坪庭を眺めることができます。
庭の奥行は1間半、これくらいの奥行があればこんな雰囲気の良い庭がつくれる
のですね。

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しつらいも良い感じ、旅館全体に言える事ですがいわゆる老舗日本旅館!という
感じではなく古くからの雰囲気のなかに斬新なインテリア・デザインが共存して
いてお互いに引きたてあっているという感じ。
そしてどこにいても居心地が良いです。

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お風呂もけして広くはありませんが高野槙の良い匂いのする
浴槽、洗面所の床はコルクタイル敷き。
木やコルクなど人肌にやさしい素材につつまれると気持ちが
ほっこりします。普通のホテルでは水廻りはユニットバストイレ
のFRP製品、もちろんメンテナンス上致し方ないのでしょうが
水廻りの心地良さはそのまま宿泊体験のここちよさに直結するの
だなぁ~と実感することができました。

俵屋プラン

もちろん実測スケッチも忘れません。
他にも障子の見込み寸法や家具の高さなど気になる寸法が多すぎて
へとへとになりました(笑)

Category
京都・奈良吉村 順三建築探訪手描きスケッチ
Tag
2016.3.24

月末に結婚10周年を記念して(厳密には11年目なのですが)念願の
「俵屋旅館」に宿泊する予定をたてています。
俵屋さんは京都を代表する老舗旅館で、増築部分、新館は建築家の吉村順三
さんの設計によるもの。
設計者にとっては有名な憧れの建物、多分チェックインしたらチェックア
ウトするまで宿から離れられないのではないか・・(笑)と思っています。

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俵屋3

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中村好文さんの「意中の建築(上)」にのっている「俵屋旅館」のプランをトレースして
予習はバッチリ、奥さんに引かれない程度に(笑)実測に励んでこようと思います!

Category
その他京都・奈良吉村 順三建築探訪手描きスケッチ
Tag
2015.7.11

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「園田邸」の見学の帰りに、あるいて15分程の場所に建つ玉川田園調布共同住宅
に足を運びました、設計は堀部安嗣さん。

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外壁に張られているタイルがいい風合いです。

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堀部集合住宅スケッチ

半地下の中庭、それほど広くはない中庭ですが半地下の落ち着いた空間に上から光が差し込み、
白河石が敷きこまれた床面に、暖炉・水盤・植栽がそっと置かれています。
堀部さんの先生の先生にあたる吉村順三さんの本にも「火と水と木の詩」という本がありますが、
その要素を抽象的にさらりと配置する堀部さんのセンスの良さ、詩人ですね。

Category
建築探訪手描きスケッチ
Tag