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木造モダニズム「日土小学校」
2018.8.25

学生の時にDOCOMOMOJapanでその存在を知り、ずっと見たかった木造の小学校。
最寄りのバス停から徒歩40分ととても行きずらい場所、しかも年に3回しか見学の
機会がない建築ですがやっとこ見ることができました。
建物を見て最初に感じた印象は「軽い」「明るい」、軽い明るいといえば鉄骨
造の特徴と思っていましたが、素材が木なのでさらに軽い印象。
こんな木造建築を1950年代に実現し未だに現役の小学校、これだけで猛暑の中てく
てくと歩いて来た甲斐がありました(笑)

設計は松村正恒さんによるもの、ライトの弟子にあたる土浦亀城さんの事務所で
修行をされた後、八幡浜市役所職員として多くの建物の設計をされた方です。

東校舎が特に魅力的でとても豊かな場所になっていました。
シンプルな架構にも関わらずとても豊かな空間が生まれているのは2つの理由
があると思いました。
ひとつは敷地の素晴らしさ、谷あいの小川の横に佇む校舎には水で冷やされた
涼しい風が吹き込み、窓一面に南側のミカン畑の風景を望む事ができます。
もう一つはスキップフロアを使った豊かな断面構成、廊下と教室の間に光庭を
挟む事で明るい学びの場が生まれています。

階踏み面350㎜蹴上110㎜と子供にも上りやすいおおらかな階段。

モダンな校舎に差し込まれたお伽話にでてきそうな遊び心たっぷりの図書室、
照明は山小屋にありそうなランプ、銀糸張りの天井、竹の輪切りで描かれた星座。
室内に飽きたら川面に張り出したベランダで風に吹かれて本を読む事もできます。
こんな素敵な図書室があったら一日中居てしまいますね(^^)
北欧の建築家アスプルンドの図書館のお話し部屋を思い出しました。

木造で明るく軽い素晴らしくモダンな建物を造り、その中に子供の想像力を刺激
するような物語のある空間をそっと挿し込む。
「日土小学校」かなり好みです!(笑)

Category
その他建築探訪手描きスケッチ
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