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沖縄建築旅~「識名園」
2018.2.26

住宅デザイン学校の「沖縄建築ツアー」に参加して来ました。
沖縄の名建築を建築家伊礼さんと一緒に巡るというぜいたくなもの、
最初に訪れたのが「識名園」18世紀の終わりごろにつくられ、国王
一家の保養や外国使臣の接待に使われたようです。

とても魅力的な石垣でつくられた小径を進んで行くと、ウドゥン
と呼ばれる木造の御殿が現われます。
御殿というと「桂離宮」や「二条城」を思い浮かべますがこの建物
は桂離宮のような繊細さや二条城のような壮大さはなく、朴訥とし
たおおらかでやさしい佇まい。
分割して小さく掛けられた屋根のボリュームや、赤瓦と漆喰のやわ
らかなシルエットにより「御殿ですがなにか!」というような威圧
感(笑)がありません。
伊礼さんに教えて頂いた特徴は建物に中庭がある事とぐるぐる回れ
る回遊動線、この特徴を頭に入れて建物に入ってみます。

中庭があることで建物の中心にも光が届き視線が庭から庭へと抜け
てゆきます。
また中庭で雨水の処理ができることから屋根を小さく分割して掛け
ることができ、威圧的でなくゆったりと可愛らしい外観とする事が
できています。

こういう建物を見学すると屋根がどのように掛かっているのか気にな
ってしまうのは職業病。
平面をトレースしてグーグルマップを観ながらプランに屋根伏せライン
を落とし込んでみました。
平面をトレースすると中庭を抱え込みながらオレンジに塗られた回廊部
分が回遊動線を生み出しており、これがこの建物の大きな魅力になって
いる事が良く分かります!
中庭を取りながら屋根を分節して建物を小さくつくる。
住宅でもこの手法を応用できそう、ひとつ抽斗を増やしてもらったよう
な実りある見学となりました(^^)

Category
建築探訪手描きスケッチ
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