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吉村順三さん「御蔵山の家」
2018.2.5

今年最初の名作住宅トレースは吉村順三さんの「御蔵山の家」
若い夫婦のためのローコスト住宅、RC平家建て16坪のお家
です。

コンパクトながらも家事の裏動線、収納をコアとした回遊動線、
そして2.5間角の正方形の据わりの良いリビング空間
吉村さんの設計のエッセンスが詰まっています。
・ソファ・外部への開口部・暖炉の絶妙な配置、平面図だけで
も居心地の良さが伝わってきます。
また木製建具もコンクリートの躯体に木レンガを埋め込み、木
枠に一本引きの雨戸、網戸、ガラス戸が並ぶシンプルな構成。
内壁はプラスター仕上げですが下地に断熱材を兼ねた木毛板が
使われています。
間仕切り壁は24㎜の合板一枚、爽快です。

断面も玄関・水廻りは天井高さ2100mm、リビングは2300mm
とし落ち着きと開放感を生み出しています。
仕上げはプラスターやラワンベニヤなどいたって質素な素材
床材にいたってはビニル床のロンリウム、ここらへんの潔さ
が気持ち良いです!
そしてローコストにもかかわらず全面に温水床暖房が施され
、ベットの下はパイプを省略する細かい心づかい。
図面をみればみるほど、・意匠・性能・コスト すべての面
でシンプルに削ぎ落としながら必要十分とした素晴らしい住
宅という事が分かります。
この仕様で当時坪11万円、その頃のプレハブ住宅の坪単価が
15万円程度だったとの事なので今の感覚で坪45万円くらい、
平家のRC造で床暖、暖炉付きでこの値段。
とことん削ぎ落とした上で「とても豊かな住宅」コンパクト
な家を設計する時に常に心に留めておきたいお家です。

Category
吉村 順三手描きスケッチ
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