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2018.6.30

15年間使い続けてきたブラウンの髭剃りが故障してしまいました。
長年に渡りほぼ毎日顔を撫でつつけてくれた(笑)道具だと思うと
そう簡単に捨てるのは忍びない。

新しいものを変える値段で治るなら直そう!と思い家電屋さんにい
くと店員さんが
「パーツがあれば直せるけどもう製造していない、新しいの買った方
が安いですよ」との事、
言われてみれば車もスマホも何年かたつと別に必要のない機能が増え
「新しいの買った方が得ですよ・・」とくる。
分かっちゃいるけど「お前も面倒くさい事言わないで消費・消費!」
といわれているようでなんだかしらけますね。

いろんなモノが手を変え品を変え新製品としてねつ造され垂れ流しさ
れる世の中でせめて「人の住まい」だけはこの妙な循環からははずれ
ていて欲しい、
「商品」といわれるような佇まいの住宅はつくりたくないなぁ・・
と感じた家電屋さんでの一日でした。

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その他
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2018.6.28

JIA環境建築賞 最優秀賞を受賞した落日荘の見学会へ脚を運んできました。
この建物は石岡市に住む岩崎さんご夫妻がセルフビルドで建てられた住まい、
10年以上ひたすらご夫婦でコツコツと建物をつくり続けいまなお進行中。
このスピード、効率が最優先される日本社会の中でなんともスケールの大き
な建築です。
二つの建物と囲われた中庭という構成はなにか集落のようでとても豊かな場所
となっていました。
環境といっても「数値」よりも「地球環境への思想」が大きな柱となって生み
出された建築、
「建築」という言葉の中でなにか狭く縮こまってていた頭に「こんなやりかた
もあるじゃん!」と言って貰ったようでスカッとする建築でした。

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その他
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2018.6.21

学校の設計仲間Mさんより教えて頂いた染色家、柚木沙弥郎さんの本。
僕も以前日本民藝間で柚木さんの作品にビビッと(古いですね)きて
床屋さんをモチーフにした小ぶりの布を購入しました。
柚木さんの作品はむくむくと湧き上がった子供のような創作意欲を
感じ、観ているだけでなんだか嬉しくなります。
ロマネスクの教会のタンパンの彫り物や、ロベール・クートラスの
絵を見た時に感じるやわらかく無垢で頑是ない表現。
この本はもちろん前半の写真部分も美しいのですが、後半の柚木
さんの書いている文章が本当に素晴らしいです。
内容は・・・素晴らしすぎてここに書く気がしません(笑)
ものつくりに関わる人は読むとすっと胸に感じるものがあるはず
です。
今週末まで日本民藝館で柚木さんの展示会をやっているようです。

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2018.6.18

住宅の水廻り、洗面脱衣室や家事室にはたくさんのモノが集まります。
洗濯機や洗面台、下着やタオル、掃除機や洗濯ばさみ、体重計やシャン
プーの詰め替え用のものなど・・・
きちんと収納場所を検討してやらないと散らかり放題の部屋(笑)になっ
てしまいます。

このような場所はプランだけでは良く空間が把握できないので簡単な
立体スケッチを描いて検討します。
立体で描くと上下の収納の使い分けや、鏡などとフラットに収納を収
めるにはどうすれば良いかなど感覚的に理解する事ができます。
またクライアントさんに説明する時も言葉を重ねるよりスケッチ1枚
の方が伝わる事が多いです。

水廻りや収納は住宅の縁の下の力持ち、地味な場所ですがここをきち
んと計画できるかどうかが住み心地に直結して来ます。
こういった「暮らしを支える場所」こそが設計者の腕の見せ所!
そう信じて今日もスケッチを重ねます(^-^)

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手描きスケッチ
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2018.6.16

正方形に屋根の掛かった4つのブロックが連結された「シャピロ邸」
ルイス・カーンの1950年代の設計手法がよく表れた住宅です。
50年代のカーンの設計を見ると突如「正方形」がプランの骨格として使われる
ようになってゆくのが分かります。
これはカーンが「リビングルーム」「ダイニングルーム」などという名前のつ
けられた部屋を嫌い、そもそも人がくつろぐ空間とはどうあるべきか、食事を
する空間とはどうあるべきか、空間を根本から問い直そうとしたしたからです。
その時に拠り所としたのが幾何学「正方形」
「食うところ」「寝るところ」など空間の用途を分けたうえでそれぞれの用途
にひとつの正方形スペースユニットが割り当てられる。
その空間単位を連結させていくことで建築を構成してゆくという設計手法です。

シャピロ邸のアクソメを描いてみると4つの同じ大きさの正方形のスペースユニ
ットで構成されている事が良く分かります。

カーンの40年代の住宅「ワイス邸」「ジェネル邸」などではプラン上ではリビング
ブロック、スリーピングブロックと分けられていましたが、屋根は全体を覆うよう
におおらかに架けられていました。
このシャピロ邸ではそれぞれのブロックで屋根が完結するため40年代の住宅とは
外観が大きく変化し、カーンの建築独特の佇まいが生まれています。
またユニットの四隅の中空柱にユーティリティを割り当てる「サーブド&サーバン
トスペース」という新しい概念も見ることができます。

「誰々の家」ではなく”HOUSE”という抽象的な概念をストイックに追い求めたカー
ンの姿勢が生み出したシャピロ邸、神殿のような神々しい雰囲気すら感じます。

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その他ルイス・カーン手描きスケッチ
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2018.6.11

解剖学者、養老孟司さんの本
脳・意識・理論・都市 ←→ 身体・感覚・現実・自然
を対立軸とし
脳が支配する都市社会では物事を「同じ」としてどんどん抽象化
してゆく事で一神教を生み出し。
身体、感覚を重んじる自然では「違う」を認めることで無秩序
を良しとして多神教が生まれる。

なるほどなぁ~~ 

また養老さんは寝てしまえば意識なんて消えてしまうのだから
所詮身体に依存している、だから意識はそんなに偉くない。
そんなに意識を信用してよいのかねぇ・・
というような事も書いています。

そして建築に関してもふれており、
都市計画された街になにか違和感を感じるのは
「意識」が合理的、経済的、効率的に計画した街のなかに
きわめて個人的な「身体」が暮らす。
その乖離があるからとの事。

読み終わったあとに自分なりにダイヤグラムを描いてみたら
すこしスッキリしました。
意識と身体を結ぶ場所としての建築、そんな考え方もありますね。

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2018.6.5

是枝監督の新作「万引き家族」を見に行きました。
家族というものの不思議さや怖さを感じさせてくれる映画です。
僕のような40代はすくすくと成長してゆく子供と、老い行く両
親に挟まれ、自分の立っている場所をあらためて思う機会が多
いもの・・この映画にはいろいろと感じる事がありました。

是枝監督の映画はいつもみんなで料理をし食卓を囲む場面がで
てきます、それがたとえカップラーメンだとしてもそこには家
族の風景があり、その空気感は僕もよく知っているものでした。
大好きな人と夕食を囲み、一緒に毛布にくるまって寝ればそこ
はどんなにボロっちくても「家」になるんですね。
「家族」本当に不思議なものです(^^)

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手描きスケッチ映画
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