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2018.4.19

ルイス・カーン1940年代後半の作品、ちょうど前回トレースした
「ワイス邸」と同時期に設計された住宅です。

プランを眺めるとやはりワイス邸と同じ手法でつくられた事が良く
分かります、

➀ 伝統的な素材、石・木・レンガを使う
➁ 建物の内部と外を結ぶ「中間領域」をつくる
➂ 「リビングブロック」と「スリーピングブロック」へ空間を分ける

最終プランでは読み取れませんが、初期案をみると玄関前のポーチに
はパーゴラが掛けられ玄関ホールの奥には石壁で囲まれた中庭が計画
されています、まさに2つのブロックのあいだに「中間領域」を差し
込もうとしていたのですね。

このジェネル邸を読み込んでいくと、高低差のある敷地に呼応する
ような巧みな断面計画と、ゆったりと掛かる美しい屋根が特徴であ
る事が分かります。

1950年代に入るとカーンは正方形(幾何学)の独立したユニットを
組み合わせ並べるという手法を追及します。
ワイス邸やジェネル邸のような全体をつなげる屋根の存在感は無く
なり、フィッシャー邸やエシェリック邸のようなキューブが並ぶよ
うな形態が際立ってきます。

個人的にはブロックは分けつつも全体はゆったりとした屋根でつな
げるというカーンの建築はとても魅力的だし、まだまだ追及する可
能性のある手法だなぁ・・と感じました。

Category
ルイス・カーン手描きスケッチ
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