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2018.2.28

沖縄建築旅、続いては北中城村にある「中村家住宅」へ
18世紀中頃に建てられた沖縄最古の木造建築、沖縄の伝
統的な様式がみっちりとつまっています。

入口に立つと石垣で囲われた要塞のような佇まい、重心が低く
カッコいいです。
目隠し壁のヒンプンの石積もダイナミックで美しいです、風除
け魔除けの意味もあるようです。

平面を眺めると特徴が良く分かります。
風水に基づいた配置計画となっており一番良い方角の南東に客間
のアシャギ、もっとも嫌われる北西にフール(豚小屋)が置かれ
ています。
ヒンプンは表と裏の動線を振り分ける役割もあり、ヒンプンの前
には防風林としてフクギが植えられています。
屋根は四方からの風をやりすごす寄棟造りになっており、雨端(
アマハジ)をつくる事で日射を防ぐ深い軒下空間が生まれています。
風水を意識しながら雨と風を防ぎ深い陰をつくる、風土に寄り添
った美しい住宅です。

断面を見ると南斜面の土地を人工的に掘り込み、そこに建物をはめ
込んでいるのが分かります。
このことによりどの開口部からも下に石垣上に緑という風景が目に
入り、地面も石敷きとなっているためとてもモダンなコートハウス
のような印象が残りました。
イサムノグチやルイスバラカンはぜったい好きなはず!(笑)

民家のイメージを持っていたらとてもスタイリッシュでモダン
だった「中村家住宅」建築はやはり見ないとわかりませんね(^^)

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建築探訪手描きスケッチ
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