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2017.10.30

「春霞の家」現場写真です、青空のもと心地よい風が吹いています。

内部の砂漆喰塗りがほぼ完了です、砂漆喰は普通の漆喰よりもザラリとした
仕上がりになるので光が壁をはってゆく表情がきれいです!

リビングへ向かう通路は”スルリ!”と移動できるよう曲面の壁に、
天井も段差があるのでそれぞれが食い違うおもしろい納まりとなりました。

建具の工事も進んでいます、金物は大好きな「堀商店」質実でレトロな感じ
がたまりません(笑)
クライアントさんのご厚意で11月末に見学会を予定しているので興味のある
方はぜひ遊びに来てください!


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2017.10.27

「グラフィックデザイナー佐藤晃一展」
ポスターなどの展示も素晴らしかったのですがこの「学生たちに
書き残す本」もとても良い本でした。

新しい表現を発見することが最も大切。
これは新奇なめずらしいモチーフを発見するという意味ではなく、
むしろ平凡なモチーフをまったく新しい気持ちで発見するという
意味である。

うまく考えられるようになるには失敗をたくさん経験する事だ、
失敗をたくさんした人間には道は少ししか残されていない。
自分はコレしかできないと思っている人間には道はしっかり開けて
くる。

すっと心に入ってくるような言葉が、佐藤さんの書き殴りの文字で
記されています。活字では構えてしまうような言葉でも佐藤さんの
温度を感じるような書き殴りの文字では伝わってくるのが不思議です。
何度も読み返す本になりそうです。


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2017.10.25

先日読んだ建築本、内藤廣さんの短い文章をまとめたものです。
内藤さんの文章はどれも説得力があり読みいってしまうのですが
一番共感したのが「病院のような場所こそ建築がなにかできるの
では」という文章でした。

病院は人間の「生死」にかかわる場所であり、職場としては「修羅場」
である。そんな場所だからこそ合理性、機能性で建築を考えるだけでは
なく、もっと人のこころに寄り添うようなものが必要では。

この文章を読みながらアアルトの「パイミオのサナトリウム」やアス
プルンドの「森の礼拝堂」を思い浮かべました。
超高齢化社会に突入した日本では人の「死」がより身近になって行きます、
「合理性」「機能性」といったキーワードをはなれ「思い」や「物語」と
いった言葉をもとに建築を考えてゆく時代かもしれませんね。


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2017.10.14

松山巌さんが多くの人達、特に建築を学び始めた若い人にもっと建築
について考えて欲しい、という思いから書かれた本。
この本の中には何度も

「あなたが好きだ、気持ち良いと感じる場所」

というフレーズが出てきます、そしてその後に

「もっと具体的に考えてみよう・・
 明るい場所か、薄暗いところか。
 緑の多いところか、荒れ果てたところか。
 人の多いところか、人の少ない場所か。
 天井が高かったか、低かったか。
 音が響いていたか、どのような音か。」

「さあ、ゆっくり思い出して。
 さあゆっくり考えて。」

と読者に問いかけます。これは
「俯瞰的な目線で合理性や経済性をもとに建築を考えるのではなく、
まずは一生活者である「あなた」の目線で暮らしの記憶などを思い出
しそこから建築を考えてゆくんだよ」
という松山さんからのメッセージだと感じました。

建築家の中村好文さんもトークショーの質問コーナーで子供から

「おうちを考える時にまずなにから始めるのですか?」
というストレートな質問にたいして

「そうだな~~・・・
 まずその人達(クライアントさん)の事をかんがえるかなぁ~
 その家族がおうちの中でどんな事を感じながら暮らしていくか
 そんな事を想像するかなぁ~」

と答えていました。
建物を設計する上ではもちろん法規、予算、工期など現実的な課題が
ある訳ですが、まずは「ひとの思いに寄り添い、想像してみる」
好文さんらしいなぁ~~と嬉しくなりました。
地に足を付け、生活者の目線で想像力を駆使して建物がどうあるべき
か思いを巡らす。設計者としてゆめゆめ忘れてはならない事ですね!
何度も読み返したいと思うとても良い本でした。


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2017.10.11

建築家、中村好文さんとミナペルホネンの皆川明さんの講演会へ、
お二人が自然体楽し気にお話されていたのが印象的でした。
後半は会場からの質問に答える形式で進んだのですが、
「粒あんとこしあんどちらが好きですか?」などという質問もありまるで
ラジオのお便りコーナーを聴いているよう(笑)
そんな質問への回答の中でいくつか印象に残ったものがあります。
中村好文さんへの
「生活には泥臭い面もあると思いますが、設計する上でどのようにお考え
ですか?」
というような質問に対して好文さんが
「生活には必ずそういう面がある、だからこそそこらへんも含めて解決
しようとする事が設計者の役割でそれが生きがいと思えないと設計者と
しての資格がないのでは」
また皆川さんへ
「自分の目標を達成するためにどのような事を心掛けたら良いですか?」
という質問に対し皆川さんが
「まさにそれが答え、常に心掛ける事、そのための特別な準備はしないで
普段からいつも心がける、普段こそ大切だと思います。」
とお話されていました、穏やかな口調で訥々と話されるのですがとても深
い言葉だなぁと感じ入りました。
好文さんも皆川さんも自分の軸をしっかりと持った上で、焦らず一歩一歩
独自のスタイルを築いてきた方、こんな年の重ね方が出来たら素敵な大人
になれますね。


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3人の建築家
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2017.10.10

「春霞の家」外部足場がはずれました、模型や図面で散々迷い悩みながら(笑)
検討したものが実際に立ち上がってくる事はやはり嬉しいものですね!
松林の景観を邪魔しないよう「小さい屋根を低く掛ける事で建物が風景と佇む
ように」というコンセプトはうまくいったようで一安心です。

内部は漆喰の下塗りの施工が始まりました、下塗り材のザラッとした面に
光が広がってゆく様子は美しいです。


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2017.10.6

河合隼雄さんの本を読みました、かなりザックリとまとめると
一神教(ユダヤ教・キリスト教)である西洋は時系列に合わせて一直線
に伸びてゆくような文化に対し、
日本は古事記のような神話とベースとした中心に空洞を抱える事でバラ
ンスをとる文化であると論じてあります。

新約聖書では絶対的に善(神の子)であるキリストの直線的な物語をベー
スにしていますが、
古事記では物語の中心がふんわりとしていて、出てくる神も善悪がはっき
りしない、良いことがあれば悪い事があるといったように何か出来事があ
ると必ずそのカウンターのような現象が起き全体としてバランスが保たれる。
河合さんならではのいろんな事が腑に落ちる核心を突いたお話だと思います。

建築の話に繋げてしまうと
西洋ではキリストという中心のある物語を抱いたカテドラルが街の中心に
建てられ、その空間は天へ向かって垂直に一直線に伸びてゆく構成となる。
日本では桂離宮などに見られるように建物自体は中心を持たず空を抱えなが
ら無秩序に水平方向で伸びて行き、主はどちらかというと周囲にある庭の
四季の移ろいにある。
なんて論理も可能かもしれませんね(笑)
建築を一生懸命勉強しているといろんな事に繋がってゆき楽しいです!


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2017.10.4

テーブルに続いてソファの造作です。ソファもテーブルと同じく家族が
くつろぐ大切な場所、造り付けとすると家具が建築の一部となりお部屋
の雰囲気がグッと良くなります。
設計図面を見ながら部材の太さの確認や張る生地の選定、「春霞の家」
では松林の葉の色に近いグリーンとしました!

こちらがクッションを受ける脚とベースの部分、この部分は武骨になり
過ぎないようにいくつか設計の工夫をしています。
ひとつはぐるりと廻る框部分にテーパーをとりシャープに見せる事、もう
ひとつは本来は前足の部材をつなぐ貫材を少しセットバックさせる事でス
ッキリとした印象にする事。
細かい点ですがぱっと見た時の印象がガラリと変わってきます、家具は吉
村順三さんや中村好文さんの図面をまじまじと眺めて(笑)勉強させて頂き
ました!

クッション部分の下地部分です、本来は背板を付けてクッションを受けるの
ですが今回はソファの背中をスッキリと見せたかったので下地部分で荷重に
耐えられるような仕組みにしてあります。
3つのパーツをボルトで繋ぐと完成します、にゃんこが早くも気持ちよさそ
うに昼寝をしています(笑)


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春霞の家家具
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2017.10.2

住宅を設計する時に家具はとても重要なポイントです。
特にダイニングテーブルは毎日使われる生活の中心となる場所となるので可
能な限りクライアントさんに合ったものをひとつひとつ設計しています。
「春霞の家」でも図面を書き、特注のダイニングテーブルをつくって貰う事に、
テーブルの細かい点の打ち合わせに工房を訪ねました。

天板はタモの無垢材を3枚はぎにしたもの、木目が美しいです!

こちらは集成材でつくった机の脚の試作品、今日はこの脚の曲線部分をど
のようにするかの打ち合わせです。

鉄定規をつかい曲線のラインを検討します。

ラインが決まったら実際にバンドソーで部材を削り込んでゆきます。

ザックリと削ったものを南京鉋で仕上げていくと擬宝珠のような手触りの良い
形に、上部の受け残も曲面をとりバランスの良い脚の部材が出来上がりました。
家具の設計はミリ単位で手触りや印象ががらっと変わってくるのでとても繊細
で面白い分野です。こんな楽しいものを家具屋さん任せにするのはもったいな
い(笑) 今後も建築の設計と並行して家具設計の腕を磨いてゆきたいです!


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