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2017.6.30

久しぶりに中村好文さん設計の美術館「as it is」へ脚を運んで来ました。
半円を描く竹の垣、ずらしながら敷かれた枕木、工業用ランプ、錆びた
鉄板の玄関引き戸など、さりげないけれどとても印象深いアプローチです。

外壁は敷地の土を藁と混ぜ地元の左官屋さんが塗り付けたもの、深いマ
チエールを生んでいます。
巾木もないので建物が地面からにょきっと伸びてきたようにも感じます。

開口部のない平滑な壁面に深い軒がつくる濃い影が落ち、抽象画のような
外観、デキリコの絵に出てきそうなシンとした雰囲気です。

中庭では珈琲を頂く事が出来ます。
特に贅沢な素材を使わづとも、奇抜なプランや外観をつくらなくとも
もっと本質的な部分(素材に対する眼の確かさ、建物や開口のプロポ
ーション)でこれだけ豊かな建物をつくる事ができるのだなぁ・・
とあらためて勉強になりました。
またたまに訪れたくなる建築です!

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3人の建築家
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2017.6.28

愛用していたリキウォッチがついに動かなくなってしまいました、
ベルトの交換も含め3回ほど修理しながら使っていただけに残念。
あらたな相棒となる時計を探して見つけたのが北欧の建築家アルネ
ヤコブセンが手掛けた時計「Station」 
シンプルだけど上質なデザインです。
お気に入りの時計をすると日々が少し楽しくなるような気がします!

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身の廻りのモノ
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2017.6.27

「春霞の家」着々と小屋組みの工事が進んでいます。

この物件では小屋組の構造材がすべて化粧仕上げ(ボードなどで隠
されず全て見えてくる)となるので、垂木の先端も一本一本カン
ナで丁寧に削って行きます。
棟梁の真摯な仕事ぶりに頭がさがります。

こちらは面戸板と呼ばれる屋根と壁がぶつかる部分、小屋裏の通気
を確保するために板に切り込みを入れ防虫ネットをつける事で通気
層を確保します。
直接外観に見えてくる場所ではないのですが、建物の断熱性や耐久性
を高めるにはとても大切な所。
こういった細かい事を丁寧に積み重ねてゆく事で、芯のスッと通った
懐の深いすまいが生まれると考えています。

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春霞の家現場ブログ
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2017.6.20

「春霞の家」着々と屋根工事が進んでいます、
垂木のラインが良い感じです。

今回嬉しかったのは(笑)このコンクリートの目隠し塀、
コンクリート打ち放しというと安藤忠雄さんのような平滑
できれいな表面というイメージがあると思います。
今回は木の外壁に合わせてもっとラフな仕上げにしたかった
ので「杉型枠コンクリート打ち放し」としました。
型枠の内側にうずくり加工をした杉板をはめ込む事でコンク
リート表面に木目を写し取る手法、始めてだったのでうまく
いくのか不安でしたがきれいに木目が出ていて一安心。
コストが高いのが難点ですがここぞというところで使いたい
仕上げです!

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春霞の家現場ブログ
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2017.6.14

コンテナ建築の勉強に千葉の木更津の海辺にあるワイルドビーチの
レストランへ行って来ました。
キャンプやバーベキューを楽しむグランピング施設でレストランは
ビジターでも利用可能です。

レストランに入るとコンテナで仕切られた中庭があり、白砂が一面
に敷かれています、どこか海外のビーチに来たよう。

敷地の奥は利用者しか入れないようになっていてコテージやキャンピ
ングカーが並んでいます。
コンテナは建物としては利用されておらずあくまで外部との仕切りに
使われていたのですが、このコンテナがあることで周囲にあるショッ
ピングモールや海岸の防波堤が視線から切り取られ、青い空と白い
砂の典型的なビーチの風景を生み出しています。
生垣で邪魔な風景を切り取る京都のお庭と同じ手法ですね。
囲いをつくる事で邪魔な風景を切り取る!住宅の庭にも生かせそう
です。

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カフェ・雑貨・お店
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2017.6.12

「春霞の家」着々と屋根工事が進んでいます、小さな屋根が4つ連なる
プランなのですが施工としては4つ分の屋根をつくるという事
やはり大変そうです。

上の写真は屋根の下り棟と呼ばれる四隅の部分に使われる屋根板金、
通常は屋根の角の部分は上からコーナー材をかぶせてしまう事が多い
のですが、それでは段差が出来てしまうし横葺きのきれいな水平ライン
が分断されてしまいます。
「今回は屋根が命だから・・・」
「四隅はなんとしてもきれいにしあげてほしい・・・」
しつこく現場監督のSさんに言い続けたところあきれたのか(笑)
コーナー部の屋根板金の原寸サンプルをつくってくれました!
これなら間違いなくきれいに納まるはず、嬉しいです(^.^)

外部バーベキューコーナーのRCの炉体も打ち上がりました。
図面で描いたものが実際に立ち上がってくるのがこの仕事の醍醐味
引き続き現場で勉強します。

Category
春霞の家現場ブログ
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2017.6.10

近代建築の3大巨匠、ライト、コルビュジェ、ミース
コルビュジェは「近代建築の5原則」をそのまま形にしたようなサヴォア邸が
あるしミースはユニバーサルスペースやガラスの高層ビルなど何がやりたかっ
たのか分かりやすい、デザインもスッキリしているので写真をみてもスッと頭
に入ってくる。
それに対してライトは文章を読んでも饒舌で作品集を眺めてもあの密度の濃い
細部のデザインが目に飛び込んで来てしまい、建築の本質的になにをやった人
なのかいまいち把握できずにいました。
ただ僕の好きな建築家、吉村順三さん、アントニーレーモンドと追ってゆくと
突き当たるのがライト。
ここは逃げるわけにはいかないと思い(笑)ライトの「自然の家」という本を読
み込んでみました。
読んでみるとやはり凄い建築家だなぁーとあらためて思います。
それまでの建築家といえはギリシャやローマ―の装飾をうまく組み合わせて建物
の外観をいかにバランスよくまとめるかがメインの仕事。
ライトはそういう”折衷主義”を否定し、「内部空間こそが建物の実態」とし、
植物が種から成長し枝を伸ばして行くようなイメージで建築を捉え、自分で
その原理を発見・実践した人、天才です。

イラストは「プレイリー住宅」でライトがやった事
・建物の高さを抑える
・暖炉を家の中心に据えそこから空間を伸ばして行く
・大地と呼応した水平方向への外観をつくる
・建築家への相談なしに家具、植栽を決めてはならない!(笑)
これはそのままレーモンド、吉村さんが設計の決め手としていた事と重なります。
その教えは現在ご活躍されている横内さん、伊礼さん、堀部さんなどへ受け継が
れている・・
そう考えるとフランク・ロイド・ライトやっぱりすごい男です!

Category
フランク・ロイド・ライト手描きスケッチ
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2017.6.8

梅雨入りぎりぎりのタイミングで「春霞の家」上棟しました。
下の写真は棟梁が上棟式のために持って来てくれた鶴亀図の板、式の時に破魔矢と
して使うのですがなかなかモダンなデザインです。

今回は4つの屋根が雁行してつらなって行くプランなのですが、LD部分の
屋根が「かぶら束」という下に柱のない小屋組となっています。
下に支えがないので材料を浮かせながら組み上げる難しい技術、今日の
メインイベントです。
棟梁を中心にミリ単位で調整をしながら慎重に組み上げてゆきます、一度
組みあがると抜けなくなるので僕も棟梁もドキドキします(笑)

無事小屋組みが立ち上がった所で上棟式、小屋の上に破魔矢をつくり
工事の無事を祈ります。
最後はみんなで円になって乾杯をして三本締め!
とても良い上棟式が出来ました。

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春霞の家現場ブログ
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2017.6.6

本屋さんで見つけた初期「北欧スタイル」の復刻版

北欧のデザイナー、アルネ・ヤコブセン、ハンス・ウェグナー、ポーエ・モーエンセン、
フィン・ユールの主要な家具の図鑑のような本。
いつもクライアントさんに家具を提案するのですが、色々な本から写真を抜粋しておすすめ
していたためレイアウトがまちまちでう~~んと思っていたのですが、この本は同じレイアウト
で白抜きの背景、おまけに4面から見た家具の写真と寸法付き!
まさに求めていたものでした、北欧家具好きには必須の本ですよ(^.^)

Category
家具
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2017.6.3

「春霞の家」現場写真です、暖炉の型枠がはじまりましたよー との連絡があった
ので早速現場へ向かうと職人さんが奮闘中!
「大変でしょ~」と声を掛けると「大変だよ~~(笑)」といいながら、どこか
嬉しそうな表情、職人魂ですね!

こうして見るとアトリエで黙々と作品づくりに励む作家のよう、
コンクリートの炉体が打ちあがるのが楽しみです!

こちらはコンクリート擁壁の型枠、型枠の内側に表面に凹凸のある
焼き杉の板を張る事で壁の表面に綺麗な木目を移す事ができます。

後ろでは棟梁が土台を敷く準備を進めています。
いよいよ現場に活気が出てきました、今後の進捗が楽しみです!

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春霞の家現場ブログ
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