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2015.3.5

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今月から通うことになった住宅建築家、伊礼智さんの「住宅デザイン学校」
初回の宿題が各自の「とっておきの心地良い空間」をまとめよ、というもの
でした。
色々な建築や場所が思い浮かびましたが、選んだのは吉村順三さんの「園田邸」
吉村さんが1955年に設計した若いピアニストのための小住宅です。
ピアノコンサートの催しにまぎれて2回ほど見学させてもらっているのですが
初めて訪れた時のぞわっとするような心地よさ(笑)をいまだに覚えています。
夕方からピアノコンサートが行われ、その後園田邸の見学会だったのですが
終電の関係で「5分だけなら・・」という約束で特別に先に内部の見学を許し
てもらう事ができました、しかも一人きりで。
時間は午後6時を回った頃、冬だったのでもう外は暗くその日は雨が降ってい
ました。廊下から奥へ通されLD入口の戸を引いてなかへ入ると大きな吹抜け
空間が、そのまま導かれるように奥にあるこじんまりとしたソファコーナーへ
腰を掛けました。
オイルステンで塗られたラワン合板のほの暗い空間のなかで照明はサイドテー
ブルに置かれた行灯のような低い灯りと、天井に仕込まれたダウンライト1灯
のみ、天井の吸音材とフロアカーペットに包まれた静かな室内のなかで外の雨
の音がかすかに聞こえています。動物の巣のような、心がとろんとしてしまう
ような至福の時間と空間でした。

なぜあんなに心地良い場所だったのだろう、自分なりに考えてみました。

・壁をしかっりと残しているため守られている安心感がある
・低く抑えられたヒューマンスケールの高さ寸法
・空間にあわせてやはり低いプロポーションで設計された家具
・重心を低くすることで落ち着いた雰囲気を生み出す照明の配灯計画

訪れた建物をもう一度スケッチして、なぜ良いのかを思い巡らせているといろ
いろな発見があります、良い所は盗んで自分の設計に生かしたいです。

Category
手描きスケッチ
Tag
2015.3.3

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3月3日は上巳の節句、わが家でもちいさな雛人形を飾りました。
いまではひな祭りとして女の子のお祭りになっていますが、本来は人形に
自分の穢れを移し川にながす、つまり″穢れを払う″というのが主旨の行事
で、現在の七段飾りなどの華やかな雛人形は江戸時代になってからの事の
ようです。七草がゆ、節分、上巳の節句、穢れを払ってばかりです(笑)
日本人のきれい好きの文化はこういった行事を通じて脈々と受け継がれて
いるのですね。

Category
季節
Tag