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2014.10.17

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京都の建築をみているうちに茶室の面白さに目覚め、機会があると様々な
茶室を訪ね歩いてきました。するとやはり誰がどんな歴史の流れで茶室を
作ったのかが気になって来ます。そうして本などで調べていると必ず出て
来るのが三大茶人、千利休、古田織部、小堀遠州の名前。
その中でも際立っている存在が千利休、それまでの茶の様式を覆した人です。
1522年に堺の商家に生まれ、53歳で信長の茶頭、61歳で秀吉の茶頭となり
独自の茶の美学を貫き通し、70歳で秀吉の命令により切腹します。

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京都のお寺で茶人は色でたとえると分かりやすいと教えて貰いました。
利休は「黒」上の写真は利休が好んだ黒楽茶碗、
利休は道具などを珍しがる茶を否定し、茶を飲む行為そのものが大切
でそこに立ち戻るべきと主張しました。
利休好みの道具はどれもモダンで削ぎ落とされたシャープなものが多
いです。

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茶室で有名なのが「待庵」上(京都山崎)や「黄金の茶室」下(熱海MOA美術館)
同じ人物が作ったものとは思えませんね(笑)もっとも黄金の茶室は秀吉の
好みが多分に入っているようです。
両方見学に行きましたが特に「待庵」はたった二畳の茶室ですがその空間の
密度、緊張感はすさまじいものがありました。
この待庵で日本ではじめて窓という概念を発明したといわれます。
「黄金の茶室」もけして成金趣味のものではなく品のある茶室と感じました。

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利休の本です、いわゆる利休礼賛の本ではなく表紙をめくるといきなり
「一体この人の何が凄いのでしょう?」と書いてあります(笑)
写真もきれいで利休に興味がある人にはお勧めの本です!

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京都・奈良
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