ブログ

2018.8.22

詩人の谷郁雄さんとリリーフランキー(写真)の詩集。
リリーさんのなんでもない日常を切り取った写真と,
谷さんのこれまた日常の言葉で綴った詩がとても相性が良い。

少し涼しくなってきた夕暮れ時に珈琲を片手に読みたい本です!

Category
Tag
2018.8.6

建築家、益子義弘さんの本。
場所や空間のなりたちを丁寧に読み解き「今生きる人の場の
適合のありかを探す」という益子さんの設計のスタンス。
上野の芸大のキャンパスにバルザックの彫刻が据えられた時
に場所一体の見え方感じ方が新鮮なに変わったという文章や、
イランの閉鎖的な住まいのつくりは気候だけでなく、人が広漠
とした荒野に対する精神的な恐怖や恐れ、不安を解くかたちな
のではないかという指摘、
益子さんのまなざしは「その土地がどのようななりたちをしているのか、
そしてその中で建築が人の場所の経験に寄与できることはなにか・・」
という深く本質的なところまで潜っていきます。
益子さんの建物に入った時に感じるやさしく清廉な雰囲気はこのような
設計姿勢から生まれているのだなぁ・・と感じ入りました。

Category
Tag
2018.8.1

パターンランゲージで有名なC・アレグザンダーが「デザインという問題」に
いかに取り組んできたかを追った本。
アレグザンダーはざっくり言えば「良いデザインを生み出す方程式」をつくり
そこに与条件を当てはめてゆけば良い形が解として導き出せると考えた人。
しかし完璧かと思われた「パターンランゲージ」という手法は実務ではうまく
機能する事ができず、言葉を使った「抽象的な思考」に限界を感じ最終的には
「神」の存在へと行きつきます。


アルハンブラ宮殿プラン


ドミニコ会修道院プラン

「神」などと言われるとひいてしまいますが(笑)その思考の過程で発見された
「サブシンメトリー」という構造はとても説得力があり今でも有効なものと感
じました。アルハンブラ宮殿、桂離宮にみられるような生き生きとした調和、
ルイス・カーンのドミニコ会修道院やウッツオンのマヨルカ島の家のプランに
も同じような意思を感じます。
「デザイン」というとても難しい問題に真っ向から取り組んだ巨人の足跡、
ほぼ哲学の領域ですが楽しく読ませて頂きました!

Category
Tag
2018.7.13

安西水丸さんのシルクスクリーンの作品集
あざやかなブルーの美しい本の装丁
無駄のないきりりとした構図と針で引っかいたような細い線
ゆるみのない構成なのにどこかゆるい・・
眺めているだけでうれしい本です。

Category
Tag
2018.7.5

「SWITCH」の6月号はコムデギャルソンの川久保玲さんの特集でした。
ものつくりに対する妥協のない冷徹ともいえる姿勢はやはりすごいですね、
本の後半は「万引き家族」について是枝監督と樹木希林さんの対談がある
のですが、希林さんの演技に対する姿勢も川久保さんと同じく厳しく冷徹
で微動だにしないという感じがあります。
自分の愛する仕事にたいしてそうした姿勢でありつづけたからこそ今のお
二人がいるのだなぁと思いました。
なにかに「なる」ことではなく「ありつづける」ことを自分に課す、常に
現在の自分が問われる、腹が座らないとできませんね。

Category
Tag
2018.6.21

学校の設計仲間Mさんより教えて頂いた染色家、柚木沙弥郎さんの本。
僕も以前日本民藝間で柚木さんの作品にビビッと(古いですね)きて
床屋さんをモチーフにした小ぶりの布を購入しました。
柚木さんの作品はむくむくと湧き上がった子供のような創作意欲を
感じ、観ているだけでなんだか嬉しくなります。
ロマネスクの教会のタンパンの彫り物や、ロベール・クートラスの
絵を見た時に感じるやわらかく無垢で頑是ない表現。
この本はもちろん前半の写真部分も美しいのですが、後半の柚木
さんの書いている文章が本当に素晴らしいです。
内容は・・・素晴らしすぎてここに書く気がしません(笑)
ものつくりに関わる人は読むとすっと胸に感じるものがあるはず
です。
今週末まで日本民藝館で柚木さんの展示会をやっているようです。

Category
Tag
2018.6.11

解剖学者、養老孟司さんの本
脳・意識・理論・都市 ←→ 身体・感覚・現実・自然
を対立軸とし
脳が支配する都市社会では物事を「同じ」としてどんどん抽象化
してゆく事で一神教を生み出し。
身体、感覚を重んじる自然では「違う」を認めることで無秩序
を良しとして多神教が生まれる。

なるほどなぁ~~ 

また養老さんは寝てしまえば意識なんて消えてしまうのだから
所詮身体に依存している、だから意識はそんなに偉くない。
そんなに意識を信用してよいのかねぇ・・
というような事も書いています。

そして建築に関してもふれており、
都市計画された街になにか違和感を感じるのは
「意識」が合理的、経済的、効率的に計画した街のなかに
きわめて個人的な「身体」が暮らす。
その乖離があるからとの事。

読み終わったあとに自分なりにダイヤグラムを描いてみたら
すこしスッキリしました。
意識と身体を結ぶ場所としての建築、そんな考え方もありますね。

Category
Tag
2018.5.24

ずーっと読みたかった建築家、林昌二さんの本。
絶版のため読めずにいたのですが工務店さんの本棚で発見!さっそく貸して
頂きました。
「毒本」(笑)というだけあって毒舌も冴えわたっていますが住宅についての
いくつかの言葉が胸に残りました。

「ただ住みやすくて毎日が気楽に過ぎてゆくというのでは何か不足で、それ
に加えて知的な余裕が必要なんでしょうね。(中略)ちょっとハッとすると
ころ、何か面白いところ、楽しみのあるところをつくっておかないとよくな
いと思うのです。」

「住宅を設計する人は暮らしのディテールに興味がなければ、なんの面白み
もないと思うのです。暮らしの隅々の事をきちんと温かく処理するところに
住宅の面白さがある。(中略)一軒の住宅には世界が入っているんです。」

良い家は住むための箱だけでは成立しない、なにか精神的な楽しみのある場所
でなければならない、という林さんの想い。
普段住宅の計画を進めている時に感じていた胸のモヤモヤをズバリを言い当て
てくれているようで、読んでいてスッキリとしました。
これらの言葉を胸にしまい、たまにこっそり開けてみて(笑)再確認しようと思
います!

Category
Tag
2018.4.25

絵の展覧会などに出掛けた時にもっと美術史の知識があればなぁ・・
と思う場面があります。
たとえば「ゴッホ展」に行けばゴッホ個人の絵についての特徴や変遷
を理解する事はできても、その絵が美術全体の流れのなかでどのよう
に生まれてきたものであり、その後にどんな影響をもたらしたかにつ
いては良く理解できない事が多いからです。
この本では絵その物ではなく、その背景として存在する社会文化や経
済、政治的意図などに目を向けて丁寧に美術史のながれを拾い上げて
おり読みやすく興味深い内容でした。
表紙にあるサブタイトルの「ビジネスエリート」では全然ありません
(笑)が、美術の流れをおおまかにでも捉えたいと思っている人には
お薦めの本です!

Category
Tag
2018.3.17

著名な建築家のドローイング集、時代とともにドローイングの
表現方法が変化してゆくのが良く分かります。
完成品のような隅々まで繊細に表現したドローイングももちろ
ん素晴らしいのですが、なぐり書きのような迷いながら線をな
んども重ねたようなドローイングにこころ惹かれます。
建築家はきびしい法規や予算の事は一度頭の隅に押し出して(笑)
白い用紙の上に自分の思う建築を自由に描き出しているこの時間
が一番楽しいのでしょうね。

Category
Tag