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2018.4.25

絵の展覧会などに出掛けた時にもっと美術史の知識があればなぁ・・
と思う場面があります。
たとえば「ゴッホ展」に行けばゴッホ個人の絵についての特徴や変遷
を理解する事はできても、その絵が美術全体の流れのなかでどのよう
に生まれてきたものであり、その後にどんな影響をもたらしたかにつ
いては良く理解できない事が多いからです。
この本では絵その物ではなく、その背景として存在する社会文化や経
済、政治的意図などに目を向けて丁寧に美術史のながれを拾い上げて
おり読みやすく興味深い内容でした。
表紙にあるサブタイトルの「ビジネスエリート」では全然ありません
(笑)が、美術の流れをおおまかにでも捉えたいと思っている人には
お薦めの本です!


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2018.3.17

著名な建築家のドローイング集、時代とともにドローイングの
表現方法が変化してゆくのが良く分かります。
完成品のような隅々まで繊細に表現したドローイングももちろ
ん素晴らしいのですが、なぐり書きのような迷いながら線をな
んども重ねたようなドローイングにこころ惹かれます。
建築家はきびしい法規や予算の事は一度頭の隅に押し出して(笑)
白い用紙の上に自分の思う建築を自由に描き出しているこの時間
が一番楽しいのでしょうね。


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2018.3.2

「金沢」などの小説で有名な吉田健一さんのエッセイ。
吉田さんがカタカタと汽車に揺られながらお酒を飲んでいる場面など
読んでいると体がムズムズしてきます。
自分もどこか遠くへふらりと(お酒とともに)・・・
などと思ってしまいます(笑)
吉田さんの文章にかかると駅の立ち食いソバでさえもとても魅力的に
なるのはなぜなのでしょうか、列車の旅のおともにお薦めの本です。


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2018.2.20

東工大の建築学科の授業「線の演習」
線を引く楽しさを思い出させてくれる授業です!


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2018.2.16

ルイスカーンの事務所でスタッフとして働いていた工藤国雄さんの本。
カーンというと、その哲学的な言葉遣いからどこか神秘的な建築家という
イメージがありますが、この本では工藤さんの視点から見た生身のカーンを
感じることができます。

時にスタッフにあたりちらし、ほぼ完成に近い計画を嬉々として白紙に戻し
決して妥協せず混沌を愛し最後まで戦い抜く。
フィッシャー邸やエシェリック邸の珠玉のような佇まい、そこにたどり着く
までにこれほどまでにもがき、これではダメだ!と叫び続けたカーンの姿
があったのだなぁ・・とただただ圧倒されました。


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2018.2.2

映画「人生フルーツ」のつばたさんご夫婦の本、つばたさん
が直接語り掛けてくるかのような温かい本でした。
とても穏やかなお二人ですが
「自分のことは自分でやる」
「人に依りかからずに生きたい」
という言葉が何度も出てきます、安易に世の中の事を信じず
に、自分でやってみて自分がどう感じたか、その感性に従っ
て生きてゆく。
芯の通った自分の哲学を持ったお二人だからこそ背筋のスッ
と伸びたような清冽な住まいの気配が生まれているのだなぁ
と感じました。
映画を見た人にもお勧めの本です。


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2018.1.23

久しぶりに柳宗理さんの書いたエッセイを読みなおしました。
柳さんは良いデザインの条件として
・機能 ・テクノロジー ・良い材料 ・大量生産 ・合理性
を上げています、面白いのが工業技術や大量生産を積極的に
活用して行くべきとしているところ。
”売らんか主義”のデザインを批判する一方で、伝統の安易な模倣
もすべきでないと警告しています。
その土地で、今日の技術で、適切な材料を使って、用途のために
真摯につくれば必然的な形が生まれる。
これはそのまま建築設計に置き換える事のできる箴言ですね、
心に留めて仕事をしてゆきたいです。


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その他
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2018.1.20

益子の古本屋さんで偶然見つけたハンス・ウェグナーの本、
ウェグナーの椅子が写真・面図で詳細に説明されています。

この本のなかで「家具に裏面があってはならない」という
ウェグナーのポリシーが書いてあり、
建築家のルイスカーンが設計した家の電力メーターを付ける
位置について電気屋さんと口論になり、裏側でどうだと言う
電気屋さんに対して
「この家に、裏なんてないんだ!」と言い放ったというエピ
ソードを思い出しました。
やはり巨匠は作品にかける愛情が半端ない(笑)のですね。

古本屋さんで偶然こんな本と出合えるととても幸せな気持ち
になります、大切に読み込んでゆきたいと思います。


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2018.1.12

建築家の内藤廣さんが本のなかで紹介していたスーザン・ソン
タグの本を読んでみました。
内容を正確に理解できたかといわれると怪しいですが、彼女の
世界に身を投げ出して体そのものから発せられるような言葉を
読むと、嘘のない真正面で受け止めてくれるような存在感にホ
ッとします。
自分の中にない言葉は決して発しないし、何事にも真正面から
受けてたとうとする。その真剣さ、あたたかさは本を通してで
もスっと伝わって来ます。
内容は深く理解したとは言えないけれど著者の体温のようなもの
をしっかりと感じる(笑)なんだか不思議な読書体験でした。


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2017.12.27

パリの「ポンピドゥーセンター」、オーストラリアの「シドニーのオペラハウス」
などの錚々たる建物に関わった構造エンジニア、ピーターライスの本。
ピーターはエンジニアの役割について次のように語っています。

「建物に使われた素材の本当の存在感を見せるために、素材や構造の知識を使う
のだ、そうする事によって、(建物が「感覚的」になり)人々はその建物に親近
感を持ち、触れたくなり、素材の感覚を味わったり、それを建てた人物のありさ
まを感じたくなる。」

「ある建物を「感覚的」なものにするには、人々がその建物に関わったという証
拠を残すことなのだ。」

また建物が「感覚的」であることで生まれる「存在感」については

「存在感というのは、人間とその建物を過去につなぐものなのだ。動物も、先に
通った動物の跡をつけ、新しい場所を探すことで、自分自身を確かめている。そ
こをかつて占有していたものの臭いを嗅ぎだすのだ。」

つまりエンジニアは素材を素直に表現する事で建物を「感覚的」にし、産業によ
って断絶してしまった建物と人々の関係をつなぎなおす。
そして建物の「存在感」によって人間と建物を過去につなぎ、そのつながりによ
って人間は自分の存在を確かめ安心する事ができる、という事でしょうか。

なんだかとても深い話ですね。
自分の通った小学校の校舎や祖母の家を久しぶりに訪れた時、目に入るそれぞれ
の場所の視覚的な情報と共に
「ここでこんなことしたなぁ~・・」とか
「庭にこんな木が植わってたよなぁ~・・」
という当時の記憶、や物語、匂いのようなものが同時に湧き上がっくる経験は誰
もがあると思います。
そうした「ノスタルジー」のような感覚は、今自分がここに存在することを肯定
し、慰めとなる「暖炉の火」のようなものかもしれませんね。
建築の本質的な役割として、「建物と人を過去につなぎ、人と時間の大きな流れ
のつながりを感じさせる」という事があるという事、
お寺やお墓参りにいくとなぜか安心するのも腑に落ちました(笑)
この「時間」「記憶」というものは、住宅を設計する上でもとても大切な要素、
ゆめゆめ忘れる事のないよう仕事に励みます!


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