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2020.5.23

建築家ルイスカーンのドローイング集。
実際には施工されずアンビルドとなったドミニコ修道院の
エスキス、ドローイングが時系列で並びます。

イエロートレぺの上に引かれた殴り書きのようなスケッチや
コラージュ作品のような美しい配置計画。
カーンが2年に渡り、格闘しながら建築を追い定めてゆく様子を
眺める事が出来ます。
決して流暢なスケッチではありませんが、太い鉛筆でぐりぐり
と引かれた線がカーンの人柄を表すようでとても魅力的です。

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2020.5.1

大橋富夫さんが撮った東京の風景に、
建築家の益子さん、永田さんが文とスケッチを書いた本。
今から50年ほど前の街の景色、
大切に読まれてきた古書のように掠れ、汚れていてほっとします。

どこぞの新都心のツルっとした風景にはどこにも身を寄せる
場所がありませんが、この本の中の街の風景はふらりと歩い
てみたくなる懐の深さがありますね。
町の記憶のしみは、良く生きてきたおじいちゃん、おばあちゃん
のしわやしみと同じもの、ひとを安心させるなにかがありますね。

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2020.4.21

思うところがあり養老孟司さんの本を読み返してみました。

現在の「都市化」した社会は、ものごとを「同じ」というくくり
でまとめて行く抽象化、「脳化」した社会で、「意識」が先行し
キリン・ゾウ・ネズミ → 動物
動物・植物・菌類 → 生物 
生物・無生物 → 物質 
と同じを繰り返し、統合してゆきます。
こうした分類の頂上に統治者であるGOD(神)が存在する一神教的世界
世界を同じ規格で統一しようという「グローバリズム」の考えかたですね。

他方、「自然」は「違う」を繰り返し、意識よりも「感覚」、脳よりも
「身体」が先行する多神教的世界。
「なんか違うんだよな~」とか
「生理的に受け付けない」
といったセリフは「意識」ではなく「感覚」が処理したアウトプットでしょう。

今の世の中はこの「同じ」の繰り返しがそろそろ限界来ているのかもしれ
ませんね。
養老さんの本は普段モヤモヤしているところに焦点を当て、ズバッと
切断してくれるので読んでいて面白いです。

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2020.4.17

フランスの哲学者ガストン・バシュラールの本
空間の原初のイメージについて書かれいます。
正直文章は難解です。(僕にとっては)
詩集を読む感覚で項をめくってゆくのがちょうど良い感じ。

「身をひそめることのできるものだけが、強烈にすむことができる」

「生は幸福にはじまる。それはかくまわれ、まもられ、家のふところ
に温かくいだかれてはじまるのだ」

家のふところ、とても良い言葉ですね。
うまく説明はできないけれどとても大切な事、そんなものが書かれて
いる本だと思います。

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2020.4.10

石工を経てパリの屋根裏部屋でカルトと呼ばれる手札を
書き続けたロベール・クートラス。
繊細で、小心で、子供のようにはにかみ、疑い深く、
みんなに愛されたいと願っている。
クートラスの絵を見ていると、
ちいさい頃にいつも持ち歩いていた毛布の手触りや、
宝箱にこっそりしまっていた美しい鳥の羽の様子。
雨の日のえんがわのしん、とした空気
いろいろな古い記憶が呼び起こされて来ます。

クートラスのカルトにはそういった記憶や夢想を
呼び起こす不思議な力があると思います。

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2020.3.24

スコット・フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャッツビー」
村上春樹さんの翻訳ですんなりと気持ちよく読み進む事ができました。
小説の中で主人公が帰郷して、故郷の空気をすい込む場面があります。

「・・僕らはその息吹を深々と胸に吸い込み、
自分たちがこの地方に生を享けた人間なのだという事を、
言葉としてではなく、
肌身にひしひしと感じる事になる。」

僕も学生時代暮らしていた北海道から、実家のある千葉に帰郷し地元の駅に
着いた時にまさにこの文章のように感じていました。
空気のあたたかさ、湿気、匂い、生理的に生まれた場所に戻った事を感じました。
小説を読んでいると自分の記憶を思い起こされる事も多く、
読書の楽しさを体感します。

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2020.3.13

サミュエルベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」
学生の頃に緒形拳さんが舞台をやっていて、どんな話なのだろう・・・
と気になっていた本です。
「来たるべきものの不在の物語」

ベケットのそぎ落とした彫刻のような顔と鋭い眼、
ヒリヒリとする「本質」をぐっと目の前に突き出されるような
そんな本でした。

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2020.3.9

串田孫一さんのエッセイ集「山のパンセ」
平明で素直な文章、読んでいて心がすっと落ち着きます。

「山は動けない。寝返りも打てないし、もちろん前進も出来ない。
山は逃げ出すことがない。それで私たちは安心し切って登る。
もし急に山が立ち上がったら・・・、そんなことは誰も考えない
で、登ったり、落ちたり、死んだりする。
どんなに自分勝手な人間でも、山から落ちて、山が悪いのだとは言わない。」

山という大いなるものに潜り込み、自分の存在を打ちつける事で
串田さんは安心を得ていたのかもしれませんね。

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2020.2.5

トールマン・カポーティの「ティファニーで朝食を」
オードリーヘップバーン主演の映画を見た事があったので
すが原作は初めて。
自由闊達な女の子ホリー・ゴライトリーが映画の役よりも
明け透けで、クールで、残酷でとても魅力的でした。

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2020.1.11

奥村昭雄さんの本「空気・熱の動きをデザインする」
OMソーラーの前身となるポット式石油ストーブ、煙道を使った
空気循環システムがとても魅力的でした。
ファンを使って2重煙突の隙間から床下に温風を引き戻す仕組み、
なんと床下には加湿用の水盤と蛇口が付いています。
難しい装置はないのである意味ローテク、頭できちんと理解できます。
「なるほど~~」とワクワクしてしまう本です(^^)

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