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2018.4.9

弘前建築旅で泊まったホテルの実測スケッチ!
水廻りと寝室が扉で区切られていて落ち着きがありました、
洗面が廊下に独立してあるのはユニットタイプよりも便利
ですね。
部屋の広さ感のわりになぜシャワーと思ったのですが、屋
上にある大浴場に行って納得。
露天の岩風呂があり遠くには雄大な岩木山の姿を眺める事
ができます、気持ちよくて朝風呂にもいった(笑)らりんご
がポカリポカリと浮いていてこれまた心地よい、
へたな温泉宿よりも満足なホテルでした。


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手描きスケッチ
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2018.4.6

前川國男、最晩年の建築「弘前市斎場」
敷地西側の「岩木山」「杉山」東側へ広がる「りんご畑」と建物の関
係がしっくりと納まっています。

弘前公園からてくてくと歩いて行ったのですが斎場へのアプローチが
素晴らしい、一直線の道を進んで行くと右手に突然広場がパッと現われ
その先に雄大な「岩木山」の姿を眺める事ができます。
親しい人の死に対して戸惑う心が岩木山の雄大な姿を見ることで落ち着
き慰められる事でしょう。
また道がゆったりとした下り坂になっている事で、自然に斎場へ向けて
歩を進める事ができます。

この斎場へのアプローチを進んでいる時に思い出したのが北欧の建築家
アスプルンドの「森の火斎場」、前川さんの斎場と比較すると
「岩木山」→「右手にみえてくる小高い丘」
「ゆっくりとした下り坂」 → 「ゆったりとした上り坂」
というようにアプローチの情景が似ているように思えます、どちらも人
の心に寄り添った素晴らしいアプローチです。

坂を下ると深い屋根の掛かった車寄せが見えてきます、軒裏を見上げると
重厚なコンクリートの格子梁がどうぞと迎え入れてくれるよう。

建物の内部は岩木山のある西側へ「焼き場」りんご畑のある東側へ「待合」
その二つのブロックを渡り廊下で結ぶという構成になっています。
黄泉の国(焼き場)と俗世(待合)を橋(渡り廊下)で結ぶという設計意図です。

待合(俗世)

二つの世界を結ぶ橋(渡り廊下)

焼き場(黄泉の国)

炉前ホールは薄暗い空間で、トーンの低いザラッとした仕上げとな
っています。
このザラリとした壁面にトップライトから美しい光が落ちてくる様
子は中世の教会の内部のよう。

斎場はまさに人の生死に関わる場所、杉山に抱かれた控えめな外観
とずしりと落ち着いた素材で囲まれた室内 そして遠くに望む雄大
な岩木山の姿、敷地と人の心を丁寧に読み解いた素晴らしい建築で
した。


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手描きスケッチその他
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2018.4.2

ジム・ジャームッシュ監督の映画「パターソン」
ニュージャージー州の街で何気ない日々を送るバスの運転手の物語。
アダム・ドライヴァー演じる運転手兼詩人の主人公のマイペースさ、繊細さ
が伝わってきてとても好感がもてます。
映画のなかに差し込まれる「詩」も情感があり印象的です、また同監督の
「ミステリートレイン」に出演した永瀬正敏も終盤に出てきます。

ジム・ジャームッシュ監督の映画は学生の時に良く借りて観ていたのですが
力の抜けた心地よい気だるさがなんとも心地良く、映画を観終わると少しだ
け自分のペースを取り戻せたような気持ちになります。
バタバタとする春が苦手なマイペースな人(笑)にお勧めの映画です。


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手描きスケッチ映画・絵画
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2018.3.9

東京芸術学舎の授業の際に泊まったImano Tokyo Hostel
今の東京の文化に触れてもらうというコンセプトの宿。
インテリアもすっきとした居心地の良い宿でした。ビジネス
ホテルも安眠できて良いのですが、外国人のバックパッカー
にまぎれて朝食プレートを食べコーヒーをすすっているとな
んだか自分も異国の旅行者の気分になってくる(笑)
こういった力の抜けた緩い場所が街に点在していくと居心地
のよい街になりますね。


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手描きスケッチ
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2018.3.5

沖縄建築ツアーで一番楽しみにしていた「銘苅家住宅」へ
軒先H=2100というものがどういう佇まいなのか楽しみです。

銘苅家のある伊是名島へはフェリーで向かいます。

フェリーを降りてバスに乗りやっとこ着いた「銘苅家住宅」
左側の石垣は招き入れるような曲面となっており、母屋の軒
先が雁行する様子はレストランのウエイターがどうぞこちら
へ!と手を差し出しているかのよう(笑)
カチッとした「中村家」よりもくだけたアプローチです。

なんといっても心地よかったのがこの雨端の縁側、座った時
の軒先の低さ、道路側の石垣との関係も絶妙で一度座るとな
かなか立上れません。

平面をトレースすると構成は「中村家」とほぼ一緒、ただ屋根伏せ
を掛けてみると「識名園」や「中村家」はところどころ無理してる
な(笑)という場所があったのですが、銘苅家は屋根の斜め45度の線
がきれいに柱の上に乗ってきます。
この佇まいは骨格の美しさも関係があるのだなぁ・・と感じ入りま
した。

つづいて立面と断面、
石垣、防風林のフクギ、低く雁行する軒先ラインがきれいに重なり
あい環境に馴染んだ立面となっています。
また特に気になった雨端部分の断面寸法、イラストに描いた青の
点線ラインが「中村家」雨端部分の外形。
やはり「銘苅家」の雨端は高さ、横幅ともグッと抑えられとても
親密なスケール感になっているのが良く分かります。

ちなみに北側も奈良の「新薬師寺」のような大らかで伸びやかな
外観でした。

やっと見学できた「銘苅家住宅」思ったよりも低いという感じ
ではなく「ちょうど良い」というプロポーションでした。
また「銘苅家」「中村家」を続けて見学できたため同じ構成を
とっていても外構えの計画や高さの寸法の抑え方でここまで印
象が変わるのだなぁ・・と実感しました。
とても実測スケッチ甲斐(笑)のある建物に出会えた沖縄ツアー、
設計に迷った時はまた訪れたい場所となりました。


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手描きスケッチ
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2018.2.26

住宅デザイン学校の「沖縄建築ツアー」に参加して来ました。
沖縄の名建築を建築家伊礼さんと一緒に巡るというぜいたくなもの、
最初に訪れたのが「識名園」18世紀の終わりごろにつくられ、国王
一家の保養や外国使臣の接待に使われたようです。

とても魅力的な石垣でつくられた小径を進んで行くと、ウドゥン
と呼ばれる木造の御殿が現われます。
御殿というと「桂離宮」や「二条城」を思い浮かべますがこの建物
は桂離宮のような繊細さや二条城のような壮大さはなく、朴訥とし
たおおらかでやさしい佇まい。
分割して小さく掛けられた屋根のボリュームや、赤瓦と漆喰のやわ
らかなシルエットにより「御殿ですがなにか!」というような威圧
感(笑)がありません。
伊礼さんに教えて頂いた特徴は建物に中庭がある事とぐるぐる回れ
る回遊動線、この特徴を頭に入れて建物に入ってみます。

中庭があることで建物の中心にも光が届き視線が庭から庭へと抜け
てゆきます。
また中庭で雨水の処理ができることから屋根を小さく分割して掛け
ることができ、威圧的でなくゆったりと可愛らしい外観とする事が
できています。

こういう建物を見学すると屋根がどのように掛かっているのか気にな
ってしまうのは職業病。
平面をトレースしてグーグルマップを観ながらプランに屋根伏せライン
を落とし込んでみました。
平面をトレースすると中庭を抱え込みながらオレンジに塗られた回廊部
分が回遊動線を生み出しており、これがこの建物の大きな魅力になって
いる事が良く分かります!
中庭を取りながら屋根を分節して建物を小さくつくる。
住宅でもこの手法を応用できそう、ひとつ抽斗を増やしてもらったよう
な実りある見学となりました(^^)


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手描きスケッチ
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2018.2.18

建築家の斎藤裕さんが「ワイス邸が分かればカーンがわかる」というワイス邸、
カーンはここで得た手法を通して後の珠玉のような住宅をつくりだします。
その手法とは
➀ 伝統的な素材・石・木・レンガを使って家をつくる。
➁ 建物の内部と外を結ぶ「中間領域」をつくる。
➂ 空間を分ける、住宅を「リビングブロック」と
  「スリーピングブロック」に分ける。
です。

上記の特徴を頭に入れながらプランを眺めるとその構成が良く分かります。
住宅はガレージ棟・リビング棟・寝室棟の3つのブロックに分かれ、リビング
棟と寝室棟の間には頭上にパーゴラがかけられたポーチ(半戸外空間)がつく
られています。
素材は石・木・ガラスの3種類が使われ重心の低い佇まいとなっています。

断面を見るとなだらかに南へ下がる土地にガレージ棟、リビング棟が高さを
変えて配置されています。リビング棟、寝室棟は一枚のバタフライ屋根が掛
かり、軒先の水平ラインがビシッと通っています。
後の作品では分けられたブロックそれぞれに屋根が掛けられるのですが、ワ
イス邸ではブロックは分けつつも屋根は一枚でまとめているところが興味深
いです。
古典的な独自の魅力を放つカーンの住宅、今後もトレース研究します。


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手描きスケッチ
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2018.2.5

今年最初の名作住宅トレースは吉村順三さんの「御蔵山の家」
若い夫婦のためのローコスト住宅、RC平家建て16坪のお家
です。

コンパクトながらも家事の裏動線、収納をコアとした回遊動線、
そして2.5間角の正方形の据わりの良いリビング空間
吉村さんの設計のエッセンスが詰まっています。
・ソファ・外部への開口部・暖炉の絶妙な配置、平面図だけで
も居心地の良さが伝わってきます。
また木製建具もコンクリートの躯体に木レンガを埋め込み、木
枠に一本引きの雨戸、網戸、ガラス戸が並ぶシンプルな構成。
内壁はプラスター仕上げですが下地に断熱材を兼ねた木毛板が
使われています。
間仕切り壁は24㎜の合板一枚、爽快です。

断面も玄関・水廻りは天井高さ2100mm、リビングは2300mm
とし落ち着きと開放感を生み出しています。
仕上げはプラスターやラワンベニヤなどいたって質素な素材
床材にいたってはビニル床のロンリウム、ここらへんの潔さ
が気持ち良いです!
そしてローコストにもかかわらず全面に温水床暖房が施され
、ベットの下はパイプを省略する細かい心づかい。
図面をみればみるほど、・意匠・性能・コスト すべての面
でシンプルに削ぎ落としながら必要十分とした素晴らしい住
宅という事が分かります。
この仕様で当時坪11万円、その頃のプレハブ住宅の坪単価が
15万円程度だったとの事なので今の感覚で坪45万円くらい、
平家のRC造で床暖、暖炉付きでこの値段。
とことん削ぎ落とした上で「とても豊かな住宅」コンパクト
な家を設計する時に常に心に留めておきたいお家です。


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手描きスケッチ
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2018.1.31

1998年のスぺインの映画、カラフルなパッケージのデザインに
魅せられて借りて観ました。
女性たちが自分の流儀で生きてゆく様子を描いた映画ですが、
状況設定はなかかなハードなもの。
それでも映画自体がそれほど重たい空気にならないのは淡々
とした演出と女優さん達の凛とした佇まいのせいでしょうか。
男はどちらかというと観念的になりやすく夢や理想、大義名分
を求めますが、
「今ここをどうしのいで生きてゆくのか」
という女性達の懐の広さやたくましさを感じる映画でした。


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手描きスケッチ映画・絵画
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2018.1.18

「海よりもまだ深く」で印象的だった池松壮亮主さん演の映画を観ました。
内容は決して明るいものではないのですが自分が20代の頃感じていた焦り
や無力感、先行きのなさ、そんな空気感を思い出しました。
池松さんはよい役者さんですね、女優の石橋静河さんもどこかぶっきらぼ
うなリアルな存在感がありました。
映像をを観る事で自分の記憶やその時の空気の匂いのようなものが蘇る、
映画体験はやはりおもしろいです!


Category
手描きスケッチ映画・絵画
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